TBSの出水麻衣アナウンサーが、11月19日放送の同局系クイズ番組『世界ふしぎ発見!』(毎週土曜21:00~21:54)で、5,895mの高さを誇るアフリカ大陸最高峰のキリマンジャロ登山に初挑戦し、登頂に成功。番組でも初めての成果となった。このほど、出水アナが報道陣の取材に応じ、過酷な挑戦の感想を語った。

キリマンジャロ登頂に成功した出水麻衣アナ(左)

高尾山しか登ったことがなかったという山初心者の出水アナは、今回の話を聞いたときは「ただただ呆然とした」というも、不安よりも「新しいものにチャレンジしたい」という思いが強く、決意したという。事前に冒険家の三浦雄一郎と三浦豪太のジム「ミウラドルフィンズ」で4日間トレーニングを行ってから本番を迎えたが、その挑戦は「簡単なものではなかった」と振り返る。

精神的に一番苦しかったのは、山頂を目指した最終日だったという。「4,600mのキャンプ地から夜11時に出発し、朝日の時間まで酸素が薄い中、延々歩かなければいけなくて、5,000m過ぎると一歩足を踏む出すのがこんなに大変なのかと…」と過酷な道中を振り返り、「今まで仕事を放り投げたいと思ったことはなかったんですが、そのときばかりは後悔というか…」とつらい心境を明かした。

『世界ふしぎ発見!』は12年前にもキリマンジャロ登頂に挑戦したが、そのときは時間切れで達成できず、今回、当時を経験している菅沼直之ディレクターも参加。出水アナは、最終日前日に、菅沼ディレクターから「12年越しのチャレンジなんです。その景色を見たいし、お茶の間のみなさんにも見せてあげたいし、その頂上で今、氷河がどうなっているのか調査したい」という熱い思いを聞き、「私がアタックできなかったら映像持って帰れないし…手ぶらでは帰れない」と気合が入ったという。

そして、夜明け前に頂上への中継地点ステラ・ポイントに到着。そこで人生初の御来光を拝んだ後、1時間くらいかけて最も高い5,895mのウフル・ピークを目指し、見事達成した。「仕事で泣いたことはなかったんですが、喜びなのか、達成感なのか、滝のように涙が出た」とその瞬間を振り返り、「一番印象に残る仕事になった」としみじみ。出水アナ自身、「ライフワークになっている」と語る同番組の旗を頂上で掲げられた喜びも語り、「番組に少しだけ恩返しができたかな」と笑った。

「人生観が変わるっていうと定型文すぎますが、自分の中で何か変化はある」と出水アナ。「自信になった。これからどんなつらいことがあっても乗り越えていけるんじゃないかと思う」と話し、「肝が据わったのか緊張しなくなった」という変化も明かした。さらに、一緒に登ったポーター(荷物を持ってくれる人)の優しさに触れ、「自然に手を差し伸べられる人になりたいと思い、それ以降、優しくなった」とも。また、山頂で見た運河の美しさと、それが徐々に減っているという危機についても述べ、「この景色を守っていきたい」と語った。