世界気象機関(WMO)は24日(GMT)、地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)の2015年の世界平均濃度が「危険水準濃度」とされる400ppmになり過去最高を更新した、と発表した。これまでの世界各地の観測により16年中に400ppmを超すのは確実、とされてきたが15年時点で危険水準に達していたことが明らかになった。
WMOによると、CO2同様に温室効果ガスであるメタンと一酸化二窒素の15年の世界平均濃度も過去最高を更新した。
国連の気候変動枠組み条約第22回締約国会議(COP22)が、地球温暖化対策の新枠組み「パリ協定」ができて初めて11月7日からモロッコで始まる。WMOは、これに先立って世界平均のCO2濃度が危険水準に達したことを明らかにした。
WMOのターラス事務局長は「15年はパリ協定が採択されて温暖化対策の新たな時代の幕を開けた。しかし温室効果ガスも記録的な高値になるという気候変動の現実に直面した年になった」とコメントしている。
パリ協定は気温上昇を2度未満に抑えるとの長期目標を掲げている。この目標を達成するためには、CO2濃度を世界平均で420ppm程度に抑える必要があると指摘されている。ハワイのマウナロア山頂の観測所で2013年5月に初めて400ppmを超えた後も上昇ペースが止まっていない。WMOによると、15年のCO2の世界平均濃度は産業革命前の144%になっているという。
日本では、国立極地研究所(極地研)が、南極の昭和基地のCO2濃度が、5月14日に400ppmを初めて超えたと7月に発表している。
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