三重大学は10月13日、カモノハシと、その祖先で1300万年前に生息していたオブドゥロドンの感覚能力と生活様式の違いを明らかにしたと発表した。
同成果は、三重大学教養教育機構 浅原正和特任講師、東京有明医療大学、米セント・メアリー大学、豪ニュー・サウス・ウェールズ大学らの研究グループによるもので、10月12日付けの米国科学誌「Science Advances」に掲載された。
最も原始的な哺乳類であるカモノハシは、オブドゥロドンとよく似た姿をしているが、オブドゥロドンと異なり、歯を失っているという違いがある。同研究グループは今回、この原因を探るために、カモノハシとオブドゥロドンの頭骨の形態をCT撮影などの手法を用いて比較した。
この結果、カモノハシのくちばしは下向きなのに対し、オブドゥロドンのくちばしは上向きであることがわかった。これは採食場所がそれぞれ川底、水中と異なっているためであると考えられるという。
また、カモノハシはオブドゥロドンよりに比べて、くちばしの電気感覚を脳に伝える三叉神経がより発達していた。この結果から同研究グループは、電気感覚を強化するための三叉神経の発達が、カモノハシの歯の生える空間を奪い、歯を失うことにつながったと考察している。