NECは9月27日、グローバル経営の強化に向け、自社の中堅・中小規模の海外グループ会社に対し、SAPのクラウド型ERPソリューション「SAP Business ByDesign」を用いた基幹システムを順次導入・展開すると発表した。導入第1号として、NECニュージーランドで今年9月からシステム稼働を開始した。

この取り組みは、本社・主要拠点に導入済のコアERP(1層目)を保持しつつ、その他拠点には柔軟性が高く短期間かつ低コストで導入可能なERP(2層目)を展開することで、グローバルでの全体最適を図る「2層ERP」の考え方に基づくもの。

グループ全体でSAP製品を用いることで得られる高い親和性を生かし、経営データの連携を促進することで、経営情報の可視化や決算の早期化などのガバナンス強化に加え、地域内管理や各社でのリアルタイムな経営分析などを実現するという。

また、「SAP Business ByDesign」は中規模拠点向けクラウドソリューションであることから、各国の法制度・商習慣や新規進出・M&A・市場変動など、さまざまなビジネス環境の変化への迅速かつ柔軟に対応するとしている。将来的な事業成長に応じ、「SAP ERP」を用いた基幹システムへの移行方法論を整備する。

同社は、2層構造でのERP導入・展開ノウハウをモデル化し、2層ERPソリューションとして提供することで、顧客企業のグローバル経営の高度化に貢献するとしている。