JALは9月22日より、成田=上海(浦東)線などの日中路線に特別塗装機「JAL ドラえもんJET」(ボーイング767-300、機番: JA610J)を運航。JALにとってドラえもん単体でのコラボは初の試みであり、今回、縦4.6m×横5.9mの巨大なドラえもんが日中の架け橋となる。
さらなる訪日旅客増を目指す翼
JALでは2010年と2012年に「ドラえもんジェット」を運航していたが、当時は映画ドラえもんとしての展開であり、また当時は国内線仕様であった。今回は、中国でも世代を問わず愛されているドラえもん単体でのコラボであり、ターゲットを訪日中国人とした展開となっている。
総需要で見てみると2014年以降、訪日中国人は大幅増の傾向にあり、2015年では、訪中日本人は250万人(前年比92%)に対し訪日中国人は499万人(前年比207%)と、訪中日本人数を上回っている。また、2015年に入ってからの日中権益拡大に伴い、羽田=中国三大都市(上海(浦東)・北京・広州)の供給が拡大。加えて、地方路線の供給も大幅に増加している。
JALの中国路線における実績も、2015年と搭乗率は76%(前年比105%)と総需要に比例して海外地区需要が伸長し、搭乗率が向上しているという。その中で今回は、"選ばれる航空会社"を目指しての取り組みとなる。ドラえもんは中国でも年齢を問わず絶大な人気を誇っており、今回のキャンペーンを通じてより多くの中国人に来日への気持ちを高めさせ、日本=中国路線の活性化を目指す。特に、国慶節や春節など訪日需要が高まる時期に合わせてさまざまな取り組みを行うことで、さらなる訪日旅客増の一助となるようチャレンジしていくという。
植木社長にとっても"一番のデカール機"
9月21日に行われたお披露目会でJAL代表取締役社長の植木義晴氏は、「中国の方にもう一歩、日本航空というものを認知していただきたい。そのきっかけとしてドラえもんと一緒に展開させていただいて、最高の商品・最高のサービスという日本のおもてなしの心を味わっていただきたいと思っています。本物を見たのは僕も今日が初めてなんですが、今までもいろんなデカール機を作ってきましたが、その中でも一番のできじゃないかなって本当にそう思っています。みなさんに喜んでもらえるドラえもんJETができたんじゃないかな」とコメントしている。
また、お披露目会には藤子・F・不二雄プロ代表取締役社長の伊藤善章氏も登壇し、「藤子・F・不二雄先生は飛行機が大好きな方だったので、きっと『僕も乗りたい』って言うだろうねと話していました」と語った。
今回の「JAL ドラえもんJET」には、タケコプターを装着した縦4.6m×横5.9mの巨大なドラえもんが前方に描かれており、まさにドラえもんが空を飛んでいる姿が楽しめるデザインとなっている。後方のドアが「どこでもドア」になっているのもポイントだ。その下にはレインボーブリッジや東京スカイツリーなど東京の町並みが広がっており、ドラえもんがタケコプターで空を舞い、東京を紹介するという風景になっている。
機内では、ドラえもん仕様の特別紙コップによるドリンクサービスを実施し、オリジナルポストカードもプレゼントする。この特別紙コップとオリジナルポストカードは、特別塗装機就航路線以外の中国線(香港線除く)においても提供する。
9月22日の初便のみ、羽田=上海(浦東)線での運航となるが、以降は成田=上海(浦東)線で2017年3月末までの予定で運航する。ただし、この3月末でコラボ展開を終了するというわけではなく、利用者の反応を見て継続して展開できればと考えているとのこと。今後の展開にも期待したい。