トムソン・ロイターは9月21日、近い将来ノーベル賞を受賞する可能性の高い研究者が選出される「トムソン・ロイター引用栄誉賞」を発表した。
同賞は、同社の学術文献引用データベース「Web of Science」をもとに、論文がどの程度引用され、学術界にインパクトを与えたのかなどを考慮し、ノーベル賞クラスと目される研究者を選出するもの。ノーベル賞の科学系4賞(医学・生理学、物理学、化学、経済学)と同じカテゴリで構成されている。2002年以降、毎年9月に発表されており、今年で15回目。同賞の受賞者のうち、これまでに39名が実際にノーベル賞を受賞している。
今回、新たに有力候補として加えられたのは、「医学・生理学」で3トピック9名、「物理学」で3トピック7名、「化学」で3トピック5名、「経済学」で3トピック3名の合計24名。今年初めて直接観測された重力波や、ゲノム編集技術として注目されているCRISPR/Cas9に関する研究者らが選出された。
日本からは、「医学・生理学」分野において、京都大学 本庶佑 客員教授が「プログラム細胞死1(PD-1)およびその経路の解明により、がん免疫療法の発展に貢献」で、「化学」分野において、崇城大学DDS研究所 前田浩 特任教授(兼・熊本大学 名誉教授)と国立がん研究センター先端医療開発センター新薬開発分野 松村保広 分野長が「がん治療における高分子薬物の血管透過性・滞留性亢進(EPR)効果の発見」で受賞した。
京都大学 本庶佑 客員教授 |
崇城大学DDS研究所 前田浩 特任教授(兼・熊本大学 名誉教授) |
国立がん研究センター先端医療開発センター新薬開発分野 松村保広 分野長 |
今回受賞した24名の所属先を国別にみると、最多は米国の18名。日本は3名、その他の国はスイス、イギリス、中国(香港)が各1名だった。