アクアと日本マイクロソフトは、家電とクラウドを組み合わせた家電IoTサービスの開発で協業すると発表した。第一弾として、業務用コインランドリー機器のIoT化を促進し、新たなサービスビジネス開発と提供を目指し、2017年内にテストマーケティングを開始する予定。

協業を発表したアクア 日本代表 執行役員 COO 山口仁史氏(左)と、日本マイクロソフト 代表取締役 社長 平野拓也氏(右)

これにあたり日本マイクロソフトは、IoTビジネス化を支援し、顧客のビジネス変革を推進する専門チームを中心に、マイクロソフトのIoTパートナーと連携し、家電IoTソリューション開発を支援するという。

プラットフォームには、AIやビッグデータ分析、コグニティブなど機能を備えたマイクロソフトのパブリッククラウド「Microsoft Azure」を採用する。

アクアはハイアールグループで、三洋グループの白物家電を継承し、家庭用洗濯機や冷蔵庫、業務用洗濯機をコア事業にしている。同社の機器を導入しているコインランドリーは日本全国で1,252店舗、機器は約1万6,000台以上だという。

アクア 日本代表 執行役員 COO 山口仁史氏は、今回、マイクロソフトと協業した背景を、「家電業界の課題としては、コスト競争の激化、それにともなうコモディティ化があり、これらを踏まえ新しい顧客体験をいかに作っていくかが課題だ。同時にイノベーションが大きな戦略の柱であり、それにより、より良い、より便利な商品・サービスを顧客に提供するほか、新しいビジネスモデルを作っていかなければならない。それをするために、2社の英知を結集し、家電とクラウドを組みあわせた家電IoTというイノベーションを提供していくことを目的に協業した」と説明した。

今回の協業では、どのコースを選択したかや機器の稼働情報、売上情報、故障など、現在オンプレミス上で管理しているコインランドリーの稼働状況に関するデータをMicrosoft Azure上に蓄積。使用状況やパターンなどの様々な分析により、故障の事前検知やUI/UXの改善を行うと共に、ユーザーの潜在的ニーズをベースに、ユーザー・オリエンデッドな製品やサービス開発・提供の取り組みを行う。

アクアのランドリー会員ユーザー向けには、従来通り、コインランドリーの空き情報の閲覧や洗濯終了メールの受信、キャンペーン情報などのDM受信に加え、新たに地図サービス連携や、ソーシャルメディアサービスとの連携、電子マネーや、他業種ポイントサービスとの連携なども使用可能にすることを視野にいれて開発していくという。

日本マイクロソフト 代表取締役 社長 平野拓也氏は、記者発表の席で「アクア様には安心・安全といったセキュリティやソリューションを短期間で展開できる点のほか、拡張面を評価していただき、Azureを採用いただいた。今回のプロジェクトは、サービスモデルの変革という面では、家電業界の象徴的なものになる」と述べた。

アクアでは今後、今回の取り組みで得られたノウハウ等を、他の製品やサービスにも活かしていくという。