全国の過去の自然災害をウェブ地図で検索できる「災害年表マップ」を防災科学技術研究所(防災科研)が作成し、「防災の日」の9月1日に合わせて公開した。災害年表マップの災害事例の収録期間は西暦416年から2013年までの1600年近くの長期にわたり、発生年ごとに全国の市町村単位の地図上で表示する。同研究所は、自分の住む地域の自然災害事例を知り「災害への備え」のきっかけにしてほしい、としている。

図 災害年表マップの画面と災害詳細ウインドウの表示例(防災科学技術研究所提供)

防災科学技術研究所によると、今回公開された災害年表マップは、同研究所が整備を進めている「災害事例データベース」を使用して作成された。同データベースは、全国の市区町村の地域防災計画から地震被害、火山被害、風水害、斜面被害、氷雪被害を対象に過去の災害事例を収録。収録期間は、日本で最古の地震(奈良県周辺が震央とされる充恭〈いんぎょう〉地震)記録が残されている416年から2013年までの長期間にわたる。記録数は約5万に上るという。

また、それぞれの被害事例の詳細は「事例カルテ」として閲覧できる。ただし、2011年3月11日に発生した東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)については発生から5年以上経ってもなお余震などもあり、最終的な被害も確定していないことから現時点では収録されていない。同研究所は、災害事例データベース本体についても、今後順次データを更新しながら、今年度末ごろに公開する予定だ。

災害年表マップのURL:http://dil-db.bosai.go.jp/saigai/

関連記事

「JST、熊本地震で8国際共同研究を支援」

「政府、南海トラフ巨大地震への適応拡大を検討 東海地震対策の大震法を見直し」