JR北海道は24日、連続して北海道に上陸した台風による被害状況を発表した。石北本線と釧網本線を中心に土砂流入や盛土崩壊などの被害が発生し、24日時点で石北本線旭川~遠軽間と釧網本線全線が終日運転見合わせとなっている。

上川~中越間の路盤流出と軌道モーターカー脱線の様子(JR北海道提供)

石北本線では上川駅から中越信号場にかけての区間で約40mにわたって路盤が流出し、保線車両(軌道モーターカー)が脱線横転する事故が発生。同社の発表によれば、23日15時20分頃に安全確認と復旧資材の運搬のため、上川~中越(信)間の落石覆い内を軌道モーターカーで走行していた保線社員3人が前方に路盤流出を発見。非常ブレーキをかけたが間に合わず、脱線に至ったという。この事故で保線社員3人が重軽傷を負った。

石北本線ではその他、白滝~奥白滝(信)間で約25mにわたる盛土崩壊、上越(信)~奥白滝(信)間で排水設備への土砂堆積がそれぞれ発生。上越(信)~奥白滝(信)間の土砂堆積は24日にも復旧する見込みだが、その他の箇所については復旧行程の精査中だとしている。他にも2カ所で河川の増水が認められるという。

釧網本線では、塘路~茅沼間で約70mにわたって線路が冠水。鱒浦~桂台間では2カ所でそれぞれ約20mの土砂流入が認められたという。塘路~茅沼間の3カ所で河川の増水が観測されている。

現在不通となっている日高本線鵡川~汐見間でも、橋りょう上に敷設していたケーブルが断線。河川増水の影響にともなう流木などによって切断されたとみられる。根室本線落合~上落合(信)間でも河川の増水を観測しており、24日はこの区間を含む富良野~新得間で始発から終日運転を見合わせた。