女優の松岡茉優

女優の松岡茉優が、9月17日より公開される劇場アニメ『聲の形』のアフレコ収録を行い、コメントを発表した。

『週刊少年マガジン』(講談社)で2013年から2014年まで連載されていた『聲の形』(著:大今良時)は、手塚治虫文化賞新生賞、コミックナタリー大賞、『このマンガがすごい! 2015』(宝島社)オトコ編第1位など数々の賞を受けた人気コミック作品。『たまこラブストーリー』(2014年)や『映画 けいおん!』(2011年)などを手がけてきた山田尚子監督の手により劇場アニメ化することが発表されていた。

漫画では、先天性の聴覚障害により周囲からいじめを受けていたヒロイン・西宮硝子と、硝子のいじめの中心的存在だったことから逆に自身もいじめの対象となってしまった主人公・石田将也の交流や贖罪(しょくざい)の意志、恋心などが描かれている。松岡は、主人公・将也の小学生時代を演じる。

松岡茉優 コメント

声優のお仕事は3本目になるのですが、一番リアルに近かった作品で、普段実写でやっている役作りをしてみようと思いました。役として石田将也君を見つめ直してみると、悪気のない純粋な将也君が見えてきました。

自分自身にとっても新しい試みで、はじめは声だけに演技を乗せるのがこんなに大変なのかとすごく悔しかったですが、徐々に山田監督との信頼関係も築けたと思います。声優と俳優というお仕事に繋がる架け橋の兆しが見えた気がして、本当に光栄です。将也君は私にとってかけがえのない少年になりました。

山田尚子監督 コメント

松岡さんが演じられていた役でとても大好きな役がありまして、小学生将也のことを考えたときに、その子のことがふあっと浮かびました。きっとこの時に自分の中では松岡さんの将也と握手していたのだな、と思います。彼女の中にあるたくさんの感受性のどんな部分から将也が生まれてくるのか、とても知りたくなってお願いしました。

(――アフレコを終えて) テイクを重ねる毎にたくさんの将也を見せてくださいました。松岡さんの中で将也がどんどん呼吸し始めて、動きまわっているのが手に取るように見えてきて、本当にわくわくしました。その間、松岡さんはずっと将也と対話されているようでした。 途中、(成長した将也を演じる)入野(自由)さんの将也の生の声を聴かれるタイミングがあったのですが、それからの松岡将也がまたすばらしくて。小学生の将也と高校生の将也がちゃんと同一人物として存在する形にしっくりなじませていかれました。

普段、声だけで芝居をすることはあまりされていないと思うので、いろいろと窮屈だったりしたと思うのですが、そのようなことをまったく感じさせないようなものすごい感性とセンスを目の当たりにして、頭がくらくらしてしまいました……。

原作者 大今良時氏 コメント

とても自然な演技だと思いました。投げ出すような感じというか、放り投げるような感じというか、本物の小学6年生のようなしゃべり方が、私のイメージする子供時代の将也そのものでした。特に怒鳴った時の声がすごく魅力的でした。

(C)大今良時・講談社/映画聲の形製作委員会