リスクモンスターは8月1日、第4回「金持ち企業ランキング」の調査結果を発表した。調査期間は4月23~24日、対象は金融機関を除く決算短信提出企業3,011社。

第4回「金持ち企業ランキング」

1・2位は4年連続変わらず

ランキングは2016年6月28日時点で開示済みの「2016年3月期決算以降の最新決算書」の記載に基づき算出された「Net Cash」の額で作成されたもの。なお、「Net Cash」とは、短期借入金・長期借入金・社債・1年以内返済の長期借入金・1年以内償還の社債・割引手形の合計を現預金から引いた額で算出している。

「金持ち企業ランキング」1位は、前年首位の「ファナック」(Net Cash6,866億円)。同社は2015年3月期に連結の配当性向を以前の30%から2倍の60%に引き上げ、更に2016年2月にはおよそ6年半ぶりとなる自社株買いを実施しており、ROE重視の経営に大きくかじを切っている。

次いで2位も前年に引き続き「キヤノン」(同6,320億円)が獲得。同社は2015年にネットワークカメラ世界最大手であるアクシスコミュニケーションズを約3,300億円で買収、更に2016年には東芝の医療機器子会社である東芝メディカルシステムズを約7,000億円で買収することを発表している。

3位は化学工業の「信越化学工業」(同5,838億円)、4位は「Pokemon GO」などで話題の「任天堂」(同5,704億円)、5位は燃費データ不正問題が発覚した「三菱自動車工業」(同4,262億円)となった。

以下、6位「SMC」(同3,634億円)、7位「日本航空」(同3,523億円)、8位「京セラ」(同3,412億円)、9位「富士重工業」(3,375億円)、10位「パナソニック」(2,284億円)と続いた。

ランキングはどのように変動した?

前回までのランキングと比較すると、「ファナック」及び「キヤノン」は4年連続で1位、2位となっており、安定したキャッシュを元に事業を行っていることが分かる。一方で、両社ともに2,000億円規模のキャッシュを減少させている。

5位の「三菱自動車」においては、「2016年4月に発覚した燃費データ不正問題が業績に影響し、全国軽自動車協会連合会が発表した軽自動車の5月販売台数で、三菱自動車の売り上げは前年同月比75.0%減と激減。2017年3月期の業績見通しでは、当期利益は1,450億円の損失見込みとなっており、赤字による資金流出に加え、エコカー減税の追加納税などを考慮すれば、Net Cashの減少は避けられない」(リスクモンスター)としている。

「富士重工業」は3,245位から9位と大幅にランクアップ。リスクモンスターは「前々回(第2回)調査では45位にランクインしている。前回(第3回)調査では積極的な投資の実施により一時的にキャッシュが減少していた模様で、今回は堅調な収益推移によって再びキャッシュを積み増しランクインしたものと考えられる」と分析している。