日本オラクルは7月21日、同社のデータベースとハードウェアを一体化したエンジニアド・システム「Oracle Database Appliance」の新モデル2種を国内で提供開始すると発表した。

新モデルは、「Oracle Database Appliance X6-2S」と「Oracle Database Appliance X6-2M」。今回、中堅中小規模の企業への導入拡大を図るため、エンジニアド・システム製品として初めて「Oracle Database Standard Edition 2」に対応したエントリーモデルを発表した。

「Oracle Database Appliance X6」

日本オラクル 取締役 代表執行役社長 兼 CEO 杉原博茂氏

日本オラクル 取締役 代表執行役社長 兼 CEO 杉原博茂氏は、「Oracle Database Appliance X6は、中堅・中小企業、大企業の部門で導入可能なエンジニアド・システム。価格も最小構成なら月額5万5500円からと、非常にリーズナブルとなっている。現在、Oracle Databaseは47都道府県で導入されているが、Oracle Database Applianceはまだ22都道府県でしか導入されていない。新モデルにより、全国での導入を目指したい」と、新モデルにかける期待を語った。

Oracle コンバージド・インフラストラクチャ担当 エグゼクティブ・バイスプレジデント デイビッド・ドナテリ氏は、「Oracle Database Applianceは世界で導入が進んでおり、顧客はその効果を得ているが、すべての企業に提供するには至っていなかった」と述べた。

Oracle コンバージド・インフラストラクチャ担当 エグゼクティブ・バイスプレジデント デイビッド・ドナテリ氏

ドナテリ氏によると、Oracle Database Applianceにはこれまで「エントリープライスのモデルがなかった」「Oracle DBのEnterprise Editionのユーザーしか利用できなかった」「大規模な企業の案件向けにデザインされていた」「販路が限定されていた」ことから、中堅・中小規模の企業には手の届かなかったという。

こうした課題を解決するため、今回、「Oracle Database Enterprise Edition」に加え「Oracle Database Standard Edition 2」を選択可能とし、1万8000米ドルからの価格が設定された。

製品の概要については、日本オラクル 執行役員 クラウド・システム事業統括の山本恭典氏が説明を行った。同氏は、Oracle Database Appliance X6の特徴として、Oracle Database Standard Edition 2」が選択できるようになったことに加え、コストパフォーマンスにすぐれている点をアピールした

日本オラクル 執行役員 クラウド・システム事業統括 山本恭典氏

Oracle Database Appliance X6と同等のスペックのサーバ(1年間の保守費用込み)、Oracle Database Standard Edition 2(1年間の保守費用込み)、構築費用を合算すると、Oracle Database Appliance X6が最も安く、また、Oracle Database Appliance X6と同等スペックのサーバにMicrosoftのSQL Server 2014 Standardを搭載した場合と比べても価格は抑えられるという。

構築・運用にかかる時間に関しても、サーバからすべて自社でそろえて構築する場合は最低数カ月はかかるのに対し、Oracle Database Appliance X6は30分から90分で導入作業が完了する。

山本氏は、EE Editionを利用した場合のメリットとして、必要なコア単位でのプロセッサライセンスを購入できるライセンス「Capacity on Demand」を選択することで、データベースが稼働するサーバの搭載CPUコア数ではなく、「Oracle Database」で利用するコア数を制限し、初期投資を抑えることができると説明した。

Capacity on Demand」を利用した場合のコストメリット

「Oracle Database Appliance X6」の価格だが、2Sの定価が本体216万7680円、1年間の保守料金が26万0122円、2Mの定価が本体288万7680円、1年間の保守料金が34万6522円となっている(いずれも税別)。

「Oracle Database Appliance X6-2S」の特徴

「Oracle Database Appliance X6-2M」の特徴