JR西日本は20日、瀬戸内エリア周遊の新たな拠点化に向け、尾道駅を建て替えると発表した。2018年夏頃の開業をめざす。

尾道駅新駅舎完成イメージ(外観・内観)

新たな駅は鉄骨造2階建て、延床面積約2,150平方メートル。世界有数のサイクリングコースとして知られるしまなみ海道の本州側の出発地であることから、サイクリスト向け店舗や駅直結の宿泊施設などを駅舎内に配置する。

外観は、日本の鉄道黎明期から愛された歴史ある駅であることを踏まえ、1891(明治24)年当時の初代駅舎の瓦屋根や深い軒といった特徴的な形態や色彩を踏襲したデザインに。屋根勾配を工夫することで、尾道のまちなみに溶け込む建物とする。

駅舎中央部分には南北に抜ける開放的なコンコースを配置。晴天が多い気候を生かし、コンコースには大きな吹き抜け空間とトップライトを設け、自然光を駅舎内に取り入れる。2階には屋根を一部くり抜いたような形状の眺望デッキを設け、尾道水道を楽しめる空間とする。

地域住民の交流の場としての利用も意図し、駅・宿泊施設・店舗などを利便性に配慮した施設配置とするほか、眺望デッキや待合スペースなどを「憩いの空間」と位置づけ、駅舎内でゆっくり過ごせる心地良い空間づくりをめざす。総工費は約17億円。駅舎内の店舗構成については決まり次第、発表となる。