一畑電車はこのほど、同社にとって86年ぶりという新造車両の導入決定について発表した。形式名は「デハ7000系」で、今年度中に2両を導入予定。製造発注業者は後藤工業(JR西日本グループ、本社は鳥取県米子市)と発表された。

新造車両イメージ(ラッピング前)

一畑電車は島根県内に北松江線(電鉄出雲市~松江しんじ湖温泉間)・大社線(川跡~出雲大社前間)の2路線を持ち、おもに関東・関西の大手私鉄から譲渡された車両による営業運転が行われている。昭和初期に製造された一畑電車オリジナル車両デハニ50形は現在、52号車(1928年製造)が出雲大社前駅で一般公開展示され、53号車(1930年製造)が雲州平田駅構内で体験運転用の車両に使用されている。

新造車両デハ7000系は1両で走行可能な設計となった。親しみのある車両とするため、車体フルラッピングを施工し、デザインの公募も行う。VVVFインバータ制御や回生ブレーキ装置を採用して使用電力量を削減するほか、外国語対応機器を搭載し、車内案内表示機を2カ国語表記とする。定員は1000系(元東急電鉄の車両)の1両あたり122人(座席定員40人)に対し、デハ7000系は1両あたり129人(座席定員64人)とされている。

今後の導入スケジュール(予定)に関して、1両目は今年8~9月に搬入され、試運転・検査などを経て12月に営業運転を開始する予定。その間にラッピングデザインの公募も行い、デビューに合わせて出発式も開催する。2両目は来年1月に搬入され、営業運転開始は2月となる見込み。なお、監督官庁への申請などのため、車両の詳細な仕様や今後のスケジュールが変更となる場合もあるとのこと。

一畑電車オリジナル車両デハニ50形。52号車は出雲大社前駅で一般公開展示されている

大社線を走る1000系。元東急電鉄の車両