JR西日本は24日、新型車両323系のお披露目式典・報道公開を近畿車輛本社にて実施した。同車両は初の大阪環状線・JRゆめ咲線(桜島線)専用新型車両となる。

大阪環状線・JRゆめ咲線(桜島線)専用新型車両323系。近畿車輛本社にてお披露目式典・報道公開が行われた

お披露目式典にはJR西日本取締役兼常務執行役員 近畿統括本部長の平野賀久氏、近畿車輛代表取締役社長の森下逸夫氏らが出席したほか、鉄道好きで知られるタレントの斉藤雪乃さんもゲストに招かれた。平野氏、森下氏、斉藤さんらによる除幕で323系がお披露目された後、報道関係者向けに4~8号車(モハ322-3、モハ323-501、モハ322-2、モハ322-1、クモハ323-1)の外観・車内が公開された。

新型車両323系は8両編成。ステンレス製車体で、JR西日本が近年投入している北陸本線521系3次車、広島地区の新型車両227系、阪和線新型225系に合わせた先進的な外観デザインとなり、基調色に大阪環状線で長年親しまれたオレンジを採用している。既存の通勤形電車103系・201系はともに片側4ドアだが、323系は大阪環状線に乗り入れる阪和線・大和路線(関西本線)の車両と同じ片側3ドアとなった。2013年度に立ち上げた「大阪環状線改造プロジェクト」のロゴマークを車体前面・側面に掲出する。

323系の最高運転速度は時速100km。開発にあたり、「安全・安心の向上」「機器の信頼性向上(安定輸送)」「情報提供の充実」「人に優しい快適な車内空間」の4点がコンセプトに定められたという。JR西日本初となる運転士異常時列車停止装置(EB-N形装置)を設置したほか、車両異常挙動検知装置も搭載。衝突安全対策や戸挟み安全対策にも努める。安定輸送のため、運転台計器類、パンタグラフなどの二重系化も図った。

車内はオールロングシートで、座り心地が改善されたという。客室内灯具はLED化された。4号車は女性専用車で、他の車両と異なる外観カラーや客室内灯具の色調を採用することで、より区別しやすくしている。8号車(大阪駅停車時の天満方先頭車)は混雑への対応として、出入口スペースを拡大。優先座席の中間に小型袖仕切りも設置した。

4号車は女性専用車。車体ドア横カラーと客室内灯具の色調が他の車両と異なる

323系の車内はオールロングシート

8号車の出入口スペースが拡大された

車内の案内ディスプレイはドア上部に6カ所、車端部に2カ所の計8カ所(16画面)設置され、4カ国語(日本語・英語・中国語・韓国語)での案内が可能となった。車内の自動放送などは日英2カ国語で行われる。車いす・ベビーカースペースや優先座席の個別袖仕切りなど、バリアフリー対応も充実。無料公衆無線LANサービスにも対応している。

安全性とサービス水準を高めたという大阪環状線・JRゆめ咲線(桜島線)専用新型車両323系は、国鉄時代に製造された既存車両103系・201系の置換えとして、2016~2018年度にかけて計168両(8両編成×21本)を投入する予定だ。