NHK総合で7月30日に放送する終戦スペシャルドラマ『百合子さんの絵本‐陸軍武官・小野寺夫婦の戦争‐』(21:00~22:30)の試写会が21日、東京・渋谷の同局で行われ、薬師丸ひろ子、香川照之が出席した。

ドラマ『百合子さんの絵本‐陸軍武官・小野寺夫婦の戦争‐』の試写会に出席した薬師丸ひろ子、香川照之(左から)

『ムーミン』など児童文学の翻訳者として知られる小野寺百合子(薬師丸ひろ子)を主人公にした同ドラマ。第二次世界大戦の最中、スウェーデンの在住武官であった陸軍軍人の夫・信(香川照之)とともに諜報の最前線を生きた百合子の姿を通じて夫婦の愛と絆を描く。

主演の薬師丸は「とても思い出深い作品になりました。戦争をテーマにした作品はこれまでありましたが、ここまで自分たちの力で国を救わなければいけない、といった重いモノを背負った人物を演じたのは初めてで、とてもプレッシャーがありました。どうしていいものかと撮影に入るまで悩み続けましたね」と明かしつつ、「撮影中も良い意味で追いつめられていく中、何とか皆さんのお力をお借りして完走したという感じです。百合子さんを35歳から75歳まで演じ、生き抜いたという気持ちがありますね」とやり切った様子。そんな薬師丸と夫婦役を演じた香川は「薬師丸さんの隣にいさせていただき、気品を感じました。一緒に夫婦を演じた中で、戦争とは何か、という重い思いを体感できたし、メッセージを与えることができたと思っています」と充実した様子だった。

戦時中はスウェーデンで諜報活動を行っていた小野寺信・百合子夫妻。劇中でもそのようなシーンが随所で見られるが、薬師丸は「監督がこだわっていたのは、暗号文の作り方。分厚い本を読みながら理解したので、暗号文が書けるようになりました」と茶目っ気たっぷり。そんな薬師丸について香川は「打ち上げの時にミニコンサートと称して、『セーラー服と機関銃』、『探偵物語』、『Wの悲劇』、『潮騒のメモリー』を歌ってくれました。鳥肌が立つぐらい覚えているんですけど、神だと思いましたね。劇中の佇まいが皇后陛下に見えてきて、いつかやっていただきたい」と話していた。