運輸安全委員会は6月20日、羽田空港で5月27日に発生した大韓航空機の重大インシデントに関し、国土交通省航空局へ6月18日に情報を提供したことを発表。エンジンを分解した上での調査結果等を報告している。

問題となったエンジンの構造と点検推奨箇所

現在までの調査の結果、同機の左側のエンジンを分解して調査したところ、同エンジンのタービン・ディスクの一部が破断し、エンジンケースを貫通していたことが分かっている。なお、エンジンメーカー(米国プラット・アンド・ホイットニー社)は同型式エンジン使用者に対し、取り外されているエンジンのタービン・ディスクのマニュアルに従った点検を推奨する通報を、6月18日付け(日本時間)で発出している。

今回の重大インシデントは、大韓航空所属のHL7534(ボーイング式 777-300 型)が5月27日12時38分頃、羽田空港C滑走路を離陸滑走中、左側エンジンに不具合が発生したため、離陸を中止の上で同滑走路上に停止し、脱出用スライドを使用して搭乗者を脱出させたというもの。同機には乗客302人・乗員17人の合計319人が搭乗しており、軽傷者は9人だった。一時は4本の滑走路が全てが閉鎖され、翌日の28日にも羽田空港において欠航・遅延の影響が発生した。