Microsoft Azure

日本マイクロソフトは5月25日、大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立情報学研究所(NII)と、大学および研究機関におけるパブリッククラウドの利活用推進に向けて、協力することを発表した。

同協力において、日本マイクロソフトはNIIが今年度本格的な提供を開始する「学認クラウド」の加入機関である大学と研究機関(実証実験期間中は実験参加機関)を対象に、パブリッククラウドプラットフォーム Microsoft Azureの利活用を推進する「学認クラウドユーザー向け Microsoft Azure導入支援サービス」を提供する。

具体的には、研究・開発分野におけるAzureの効果的活用を促進するためのセミナーなどの実施や、「学認クラウド」加入機関に対しAzureを特別価格で提供する。このサービスにより、今後さらに期待されるビッグデータ解析やゲノム情報処理、流体解析などの技術を用いた先進的な研究の教育・研究機関でのクラウド活用促進を支援するという。

また、NIIが構築・運用する学術情報ネットワーク(Science Information NETwork、SINET)の最新版SINET5とMicrosoft Azureの直接接続も2016年第3四半期に提供を予定。全国約850のSINETの加入機関(ユーザ数合計約300万人)のうち対象となる大学・研究機関が利用可能となる。

大学および研究機関における利活用のメリットとしては、Azureが提供するDeep LearningやMachine Learningにより、膨大な研究データ(ビッグデータ解析やゲノム情報処理、流体解析など)のセキュアな収集・分析を実現。

学認クラウドに加入すると、高速な専用線を調達せずに、定額の回線利用料で利用できるMicrosoft Azure特別価格を提供し、ハードウェアやソフトウェアのメンテナンス、セキュリティ対策の負担を軽減し、研究開発へ専念することが可能。

また、研究におけるピーク時のサーバ増設やオフピーク時の余剰分の削減ができ、必要な時に必要な分だけすぐに利用することが可能となる。ボリューム ライセンスプログラムにより、日本円によるプリペイド方式で購入に対応。さらに、対象となるあらゆるAzureサービスで利用が可能なため、研究ニーズの変化に合わせて都度必要なサービスを選択可能。サービス内容は、東日本、西日本の2拠点のデータセンターで冗長化されるなど、可用性、堅牢性を備えている。

現在、広島大学、東京工業大学、東京大学などが採用表明をしている。日本マイクロソフトは、NIIに協力し、同サービスを1年間で100の大学・研究機関に提供することを目指すとしている。