ピュア・ストレージ・ジャパン 代表取締役の山田秀樹氏

ピュア・ストレージ・ジャパンは5月24日、都内で記者会見を開き、オールフラッシュファイルストレージ「Pure Storage FlashBlade」を発表した。

冒頭、ピュア・ストレージ・ジャパン 代表取締役の山田秀樹氏は「昨今は新しいテクノロジーに飛びつきにくいようなユーザーもオールフラッシュストレージを採用している。課題としては、大規模環境のストレージは縮小傾向にあるが、拡大傾向にあるミドルとローエンドの領域に対して、われわれがどのように対応できるかということが挙げられる。今回の新製品はそのような状況に対応する1つのマイルストーンだ」と語った。

「Pure Storage FlashBlade」

新製品はFlashBladeは4Uシャーシ、15の独立したブレードで構成し、100TB未満から数十PBのまで拡張できる柔軟性を備えており、小規模スタートだとしても必要であればブレードを追加できる。8TBまたは52TBの非圧縮容量スケールアウトブレード、1つのシャーシで1.6PBの有効容量であり、15GB/秒の処理を可能とする。

また、汎用ハードウェアに独自ソフトウェア「Elasticity」と高密度のパッケージを組み合わせたアーキテクチャ上に構築されている。

新製品はブレード、Elasticity、Elastic Fabricの3つの基本要素で構成されており、スケールアウトの中核的な要素である各ブレードは、データやメタデータの処理に必要な演算能力、ストレージの未処理のNANDフラッシュ、未保存の書き込みに対する電力安全保護機能のためのNVRAMを備えている。

さらに、Elasticityはシステム共通のオブジェクトストア、ストレージサービス(データ削減、暗号化、N+2消失訂正符号など)、スケールアウトプロトコルサービス(NFS、Amazon S3など)、低レベルフラッシュ管理、低密度パリティ検査符号(LDPC)によるエラー訂正を実行し、フラッシュ管理、プロトコル、ボリューム、ストレージサービスにおける単一のコードベースにより、すべてのレイヤーで拡張可能なメタデータエンジンとガベージコレクションを共有するとしている。

加えて、新製品はソフトウェア制御された40GB/秒の低レイテンシー内蔵型Ethernetネットワークが含まれており、Elastic Fabricはブレード間接続、シャーシ相互接続、クライアント接続をソフトウェア制御のQoSにより単一のネットワークに統合し、トラフィックの適切な優先順位付けを可能にする。Elastic FabricおよびElasticityはいずれも、汎用のEthernetネットワークに加え、専用のプロトコルを活用しており、低レイテンシー通信を実現するという。

用途としてはデータを活用した研究およびエンジニアリングや、セキュリティに関わる脅威の検出と対処、IoTセンサのデータなどさまざまなデータ分析、クラウドネイティブのアプリケーションといったワークロードに適している。

米ピュア・ストレージ製品事業部門バイスプレジデントのマット・キックスモーラー氏

米ピュア・ストレージ製品事業部門バイスプレジデントのマット・キックスモーラー氏は「近年、数百億のファイルオブジェクトや数十PB、数万のクライアント、仮想マシン、コンテナなどクラウドスケールの非構造化データが必要とされており、将来的なニーズとしては大規模、高速、シンプルであることが望まれている」と指摘し、新製品はそのようなニーズに対応すると説明した。

なお、新製品は一部顧客向けの「Early Access Program」で「Directed Availability」リリースとして提供されている。一般向け販売開始は、2016年後半を予定している。