プライム・ストラテジーは5月24日、読売新聞が運営する医療・健康・介護情報サイト「yomiDr.(ヨミドクター)」に超高速WordPress仮想マシン「KUSANAGI(くさなぎ)」)が導入されたことを発表した。

「KUSANAGI」は、WordPressの実行時間3ミリ秒台、秒間1000リクエストをページキャッシュ非使用で実現するWordPress実行環境で、オープンソースライセンスにて無償で提供されている。同社が提供する「KUSANAGIフルマネージドサービス」または主要パブリッククラウドで利用できる。

プライム・ストラテジーの代表取締役を務める中村けん牛氏は、今回のプロジェクトでは、PHP 7とnginxに加え、常時SSLとHTTP/2の採用という最新技術による高速化が図られていると語る。常時SSLで、HTTP/2による通信を行うと、ストリームの多重化やヘッダの圧縮により、Webページが表示されるまでの時間を短縮できるという。

「yomiDr.」は、「アクセスが集中すると画面が崩れるなど、負荷対策ができていなかった」「災害時に運用を続けるための対策がとられていなかった」「CMSの更新に時間がかかっていた」「スマートフォンに対応していなかった」「運用保守のコストが高かった」という課題を抱えていた。

読売新聞はこれらの課題を解決するため、「KUSANAGI for Microsoft Azure 」を導入し、マイクロソフトのクラウドサービス「Microsoft Azure」に新システムを構築した。その結果、「月間3000万PVに耐えられる可用性を実現」「災害時の遠隔地復旧を1時間で実現できる耐障害性を実現」「コンテンツ管理の作業時間の短縮」「スマートフォンに対応」「運用コストを50%削減」といった効果を得られたとしている。

例えば、これまでCMSを用いて1コーナーを作る際に30分かかっていたところ、5分くらいにまで短縮されるなど、運用にかかる時間は従来の6分の1にまで削減できたことがわかっている。

中村氏によると、9カ月のインテグレーションの期間において、KUSANAGIにより「yomiDr.」のパフォーマンスが上がったことから、アクセス数の耐用制限も1000万PVだったところ3000万PVに増えたが、クラウドサービスであるMicrosoft Azure上にシステムを構築していたため、容易に対応できたという。

「yomiDr.」の新システムの構成