日本ヒューレット・パッカードは4月27日、DRAMと同じ容量のNVDIMMを同一基板上に搭載し、メモリスロットに搭載可能な「HPE ProLiant DL360 Gen9」を含む「HPE ProLiant Generation 9(以下、Gen9)」20機種を発表し、同日より販売開始した。

「HPE ProLiant DL360 Gen9」

「HPE ProLiant Gen9」の新製品ラインナップ

不揮発性メモリのNVDIMMは、DRAMメモリと共存させる形でDIMMスロットに搭載する。同社によれば、DRAMメモリと共存させる形(NVDIMM-N技術を基盤)での搭載は業界初だという。また、「HPE Smartストレージバッテリー」によるバックアップ電源を搭載し、電源が失われた場合にも最大16基のNVDIMMによるDRAMからフラッシュデバイスへのデータ移行をサポートする。

8GBのNVDIMM

NVDIMMとは

日本ヒューレット・パッカード サーバー事業統括本部 サーバー製品統括本部 統括本部長 本田昌和氏

日本ヒューレット・パッカード サーバー事業統括本部 サーバー製品統括本部 統括本部長 本田昌和氏は、「NVDIMMは通常のメモリスロットに差し込むタイプで、データベースの高速化、ビッグデータ向けに業界に先駆けていち早く製品化した」と述べた。

同社では、データベースや分析ワークロードを加速するよう設計されており、Write Backキャッシュの用途で効果を発揮するとしている。また、Windows Server 2016では、NVDIMM用のネイティブドライバが提供される予定で、より用途が広がるという。

今回のラインナップにおいてNVDIMMはHPE ProLiant DL360 Gen9に搭載可能で、今後、HPE ProLiant DL380 Gen9にも拡張する予定。

日本ヒューレット・パッカード サーバー事業統括本部 サーバー製品統括本部 岡村清隆氏

日本ヒューレット・パッカード サーバー事業統括本部 サーバー製品統括本部 岡村清隆氏はNVDIMMについて、「CPUとディスクのギャップを埋めるアーキテクチャだ。DB処理で、書き込み処理が2倍になるため、経営判断を2倍早くできる」と語った。

また、新製品では最大22基のコアと最大2,400MT/秒のメモリ速度をサポートするよう設計されたインテル Xeon E5-2600 v4プロセッサーを採用。最大25%のパフォーマンス向上が期待できるという。

さらに、「HPE DDR4 2400 MHzメモリ」で8GBから始まる様々な容量のラインナップを提供。「HPE 128GB LRDIMM」も近日発表予定だという。

そのほか、HPE ProLiant DL300シリーズでは、これまでPCIeで提供していたNVMe SSDを、ハードディスクドライブのようにサーバ正面からアクセス可能なExpressベイにも対応(オプション)。ホットスワップも可能で、2機/4機/6機のいずれかを搭載できる。

写真では右側2つがNVMe SSD

セキュリティ面では、Trusted Platform Module(TPM)2.0規格モジュールを追加。TPMが搭載されたサーバは、同じTPM によってのみ復号化できる暗号化キーを生成できる。