トレンドExpressは4月21日、中国の「労働節」(2016年5月1日)時期の訪日中国人の消費動向予測を発表した。3月1日~27日に、新浪微博上で労働節の時期に日本旅行の予定があると書き込まれた投稿を収集、集計したもの。
訪日中国人がしたいことは?
「日本で○○したい」と書き込まれた内容をランキング化したところ、1位「買い物したい」、2位「日本料理を食べたい」、3位「温泉へ行きたい」、4位「日本人と友達になりたい」、5位「着物を着たい」という結果になった。
注目すべきは4位に「日本人と友達になりたい」がランクインしたこと。「中国では外国人の友達がいるのはちょっとしたステータス(面子)でもあり、今旅行先としても人気な日本の友達がいることは自慢の種となるのではないでしょうか」と調査では分析している。
その他には、「日本料理を食べたい」だけでなく、7位「日本料理を作りたい」がランクイン。観光地などで体験できる「そば打ち」「わさび作り」「箱寿司作り」等は人気を集めているのだとか。また、13位「アニメの聖地を回りたい」、14位「アイドルのコンサートに行きたい」などは個人旅行化が進む日本旅行を象徴する結果と言える。
訪日中国人が買いたいもの1位は「化粧品」
「購入したい」と書き込まれた商品を収集・集計したところ、1位「化粧品」、2位「医薬品」、3位「生活用品」、4位「ベビー用品」、5位「服飾」という結果になった。
昨年の労働節では「温水洗浄便座」のブームが去り人気が急下降したのが特徴的だったが、今年の特徴は「ベビー用品」が4位に入ったことがあげられるという。
「中国人は冷気を嫌うため出産や子育てには寒くない夏頃が好まれます。夏頃に合わせて出産を計画する人が多いため、労働節のタイミングでは出産準備のためにベビー用品がよく買われることが予想されます」と同調査。今年に入って特に人気が高まっているベビー用品は、「LOLA カルシウム+D」「おこさまクリーム」「アトピタ保湿しっとりクリーム」の3商品という。LOLA カルシウム+Dは子ども用ではないが、妊婦の人気を集めているとのこと。
また、今年は10位「キッチングッズ」、12位「カー用品」、14位「スマホグッズ」も目立つ。「中国でも春から6月にかけては結婚の多い時期のため、新婚旅行として訪日する夫婦も多く、新婚生活用にキッチングッズの需要が高まると予想されます。同様に、春は新車購入のシーズンでもあるため、カー用品の需要も上昇するのでしょう」と同調査。
訪日中国人が行きたい場所は?
「日本の○○に行きたい」と書き込まれた投稿は、1位「東京」、2位「京都」、3位「北海道」、4位「札幌」、5位「富士山」だった。
昨年の労働節に限らずこれまで上位は、東京に加え大阪・京都等の関西圏が独占してきたが、1月頃から雪目的で訪日中国人が増加した北海道地方の人気が継続する結果となったという。また、「ラーメン二郎」や「恐山」が初登場のスポットとしてあがっていた。
トレンドExpress編集長の四家章裕氏は、「今回の調査でも、訪日中国人が日本で 『したいこと』『買いたいもの』『行きたいところ』が多様化・分散化しているのが顕著となる結果でした。今後はさらに"趣味性が高い"、"より個人化"した需要が増えていくのではないかと思います」とコメントしている。