国土交通省は16日、熊本地震に関する災害情報の中で、熊本電気鉄道と熊本市交通局(熊本市電)の新たな施設被害を報告した。同日未明の発生した地震の影響で、熊本電鉄・熊本市電ともに全線・全便運休となっていた。

熊本電気鉄道「くまモン電車」(2014年撮影)

熊本電気鉄道は菊池線(上熊本~御代志間)・藤崎線(藤崎宮前~北熊本間)の2路線を持ち、現在は藤崎宮前~御代志間・上熊本~北熊本間の運行系統となっている。14日の熊本地震発生後、15日はおおむね平常通り運行されたが、16日未明の地震の影響で、北熊本駅のホーム一部損壊など多数の施設被害が報告される事態となった。

国交省の災害情報では、新たな施設被害として藤崎宮前~黒髪町間・打越~坪井川公園口間での軌道ズレ、北熊本~亀井間の跨線橋(国道)沈下、須屋駅・御代志駅のホーム地割、架線吊り外れ(多数)、藤崎線での線路脇ブロック塀の倒壊(数カ所)が報告されている。被害の大きさから完全復旧には至らず、17日も始発から運転を見合わせるという。

熊本市交通局の超低床電車「COCORO」(2015年撮影)

熊本市電では、14日の地震で超低床電車「COCORO」の車体が一部損傷し、当面運休に。16日未明の地震でも被害を受け、国交省の報告によれば水前寺線で軌道上の歩道橋照明灯倒壊、上熊本線の杉塘~段山町間で軌道破断があったという。熊本市交通局は17日の運行に関して、「改めてお知らせいたします」している。