ドコモ、スマホで水田の状況を確認できる水稲向け水管理支援システム

NTTドコモは4月７日、同社の通信モジュールを内蔵したベジタリアが提供する水稲向け水管理支援システム「PaddyWatch（パディウォッチ）」の機器を、4月15日から全国の稲作農業生産者向けに販売を開始すると発表した。

同システムは、センサー機能と通信機能を搭載した機器を水田に設置することで、10分ごとにセンサーから水位・水温・温度・湿度の4つの情報を取得し、それらの情報を1時間ごとにドコモのネットワークを通じてクラウドに送信する。これらの通信機能の状態を「ドコモM2Mプラットフォーム」上で一元管理を行うことで、農業IoTとして安定したサービスを確保している。

生産者は専用のアプリケーションを介してスマートフォンなどで水田の状況を確認でき、水位や水温の変化を把握したうえで水田へ行って水やりなどの対応を効率的に行うことができるという。

クラウド上に蓄積した情報を時系列で過去と比較して表示することで、傾向の把握や今後の農作業の計画立案などに役立てることも可能。

同システムは、2015年5月14日から新潟市で行った実証実験を踏まえて商用化するもので、実証実験は国内36都道府県に拡大して実施したという。

機器の代金は、水田センサー本体が9万9800円、設置用ステンレスポール　が5700円、サービス利用料は月額1980円となっている(いずれも税別)。

あわせて、ウォーターセルが農業生産者向けに圃場の航空写真を活用し、スマートフォンなどの画面上で日々の農作業などを記録することができるアプリケーションサービス「アグリノート」を、ドコモの法人向けサービスラインアップ「ビジネスプラス」のメニューとして4月15日から販売開始する。

アグリノートの利用料金は、1アカウント当たり年額6000円（税別）の一括払いとなっている。

今後、「PaddyWatch」と「アグリノート」は農業IoTとしてシステム連携を予定しており、センサーから取得した情報を自動的に「アグリノート」に記録することが可能になる。