産業技術総合研究所(産総研)は4月1日、地球観測衛星データに付加価値を付けた「ASTER-VA」を無償提供すると発表した。

衛星データは、米国航空宇宙局(NASA)が運用する地球観測衛星「TERRA」に搭載された経済産業省開発の光学センサー「ASTER」で観測されたもので、NASAからインターネット回線を通じて取得・処理し、わかりやすいインターフェースで提供される。

ASTER-VAは、産総研独自の擬似天然色画像合成技術を適用した画像データのほかに、地質情報を含む地図との重ね合わせのために地形の凹凸やずれをあらかじめ補正(オルソ補正)したデータ、標高データで構成される。さまざまな地理空間情報の閲覧ソフトウェアなどで使用できるように、KML形式とGeoTIFF形式のいずれかのファイル形式から選択することができる。

産総研は、ASTER-VAは全世界のデータを備えており、防災や環境、農林水産業など広範な分野で利活用でき、また利用制限のない公的データ(知的基盤データ)として、地理空間情報を活用したビジネスでの利用も期待されるとしている。

付加価値プロダクト「ASTER-VA」のデータ生成・配信の仕組みと活用イメージ