ラオックスと、全日本空輸(ANA)や全日空商事などANAグループは3月24日、中国を中心とするインバウンドのさらなる拡大と地方活性化への貢献に向けて、多様な分野で連携した取り組みを推進することを目的に、包括連携協定を締結したと発表した。

ラオックスは現在、日本最大規模となる総合免税店を全国37拠点で展開しており、2017年までには50店舗体制を目指しているという。店舗の運営に関しては、訪日観光旅客に人気というメイド・イン・ジャパンの豊富な商品構成や、日本式のおもてなしサービスの拡充に注力しているとのこと。とりわけ、訪日観光旅客のニーズの多様化は商品に加えてサービスにも裾野が広がってきているため、利用客の9割が外国人である同社にとって、事業の進化と成長が重要なテーマとなっているという。

一方ANAは現在、中国路線において10都市23路線を構築しており、2016年4月からは成田-武漢線を開設するなど、中国沿岸部に加えて内陸部へもネットワークを拡大している。また、日本の魅力を発信する「IS JAPAN COOL?」サイトの開設や、全国47都道府県の食・酒・スイーツ・文化を紹介する「Tastes of Japan by ANA」プロジェクトの展開、訪日旅行者向け国内線運賃「ANA EXPERIENCE JAPAN FARE」を展開し、訪日観光旅客の拡大に向けた各種取り組みを実施している。

今回の協定により、まずANAカードマイルプラス提携が実施される。これにより、ラオックスの店舗においてANAカードでクレジット決済すると、ANAのマイルがたまるというもの。また、空港売店である「ANAFESTA」の一部店舗で、インバウンド向けのラオックス商品が購入可能になるという。

全日空商事が提供する訪日旅客向け取り置きサービスでは、ラオックスの取扱商品を訪日前から取り置き予約が可能となる。さらに、全日空商事傘下の藤二誠が、ラオックス店舗へ地方のご当地雑貨や食品などを供給するという。

両社は今後、それぞれが有する強みを相互に活用し、多様化する利用客のニーズに柔軟に対応すると共に、日本のインバウンド市場のさらなる拡大や地方への出店および送客などによる地方活性化に貢献すべく、取り組みを推進していくとしている。また、ラオックスが持つ中国を始めとするアジア圏でのネットワークとANAグループのグローバル展開とを融合した、新たなサービスも今後検討していくという。