米Microsoftは3月7日(現地時間)、Linux用のSQL Server「SQL Server on Linux」を提供する計画を発表した。2017年中頃のリリースを目指す。

同社は今年後半にリリースする予定の「SQL Server 2016」を「Microsoftのデータプラットフォーム史上、最大の前進」とアピールしている。暗号化機能による堅固なセキュリティ、ワークロードのパフォーマンスを30倍~100倍に引き上げるインメモリーデータベースのサポート、Rとの統合を含む高度な分析機能などを実現し、そしてオンプレミスとクラウドをまたがったデータベース運用を可能にするStretch Databaseという機能を備える。SQL Server on Linuxの提供は、SQL Server 2016の製品戦略に沿ったものといえる。公式ブログでScott Guthrie氏(クラウド&エンタープライズグループ担当エグゼクティブバイスプレジデント)は次のように述べている。

「SQL Server on Linuxはデータソリューションにおいて顧客により大きな柔軟性を提供する。1つはミッションクリティカルなパフォーマンス、業界トップのTCO、ベストインクラスと呼べるセキュリティ、そしてStretch Databaseのようなハイブリッド・クラウド・イノベーションである」

SQL Server on Linuxの登場は、SQL Serverの機能セットを求めるLinux採用企業や、SQL Serverを採用しながらWindowsのライセンスを重荷に感じていた企業に柔軟なソリューションを提供し、ユニークなクラウド機能を備えたSQL Serverの採用を加速させるだろう。Microsoftは7日(同)に、SQL Server on Linuxのプライベートプレビューの受け付けを開始した。SQL Server on Linuxの詳細については不明な点が多く、All About MicrosoftのMary Jo Foley氏によると、SQL Server 2016の全機能がLinux版でも利用できるようになるのではなく、コア・リレーショナル・データベース機能に限られる。同社は10日(同)に、米ニューヨークで「Data Driven」というイベントを開催し、CEOのSatya Nadella氏などがデータを活用したビジネス改革について語る。SQL Server 2016やSQL Server on Linuxに関する新たな情報の公開も期待できる。