NTTドコモは3月2日、地震や津波の被害によって発生する通信障害からの早期復旧を目的に、地震科学探査機構(JESEA)が研究する地殻変動から地震の場所と時期を予測する「地震予測システム」の実証実験への協力と、基地局に設置した高性能カメラから津波の被災状況を監視する「津波監視システム」の運用を3月4日から開始すると発表した。

「地震予測システム」の実証実験への協力では、衛星測位機器を用いて地殻の変化を捉える装置を全国16カ所の携帯電話基地局に設置。収集した地殻変動のデータをモバイル通信でリアルタイムにJESEAに提供するというもの。

衛星測位機器を用いて地殻の変化を捉える装置

ドコモが提供するデータは、平均化単位時間を自由に変更することができるため、これまで発見できなかったような異常地殻変動を捉えることが可能となるため、JESEAの「地震予測システム」の精度向上が見込め、ドコモでは移動基地局車や電源設備等の準備を事前に行う等の、災害時の復旧体制強化に活かせる可能性が高まるという。

一方の「津波監視システム」は、津波発生時の沖合の様子を監視するカメラを全国16カ所の携帯電話基地局に設置し、津波発生時の沖合の海面の様子を確認するほか、遠隔でカメラを操作し、基地局の通信設備の被災状況を確認する。

監視カメラ

同社では今回の運用により、津波監視のノウハウを蓄積することで検証・評価を行い、本システムのさらなる改良や運用・活用方法について検討していくという。