ルネサス エレクトロニクスは2月21日、ロボット専門店などを展開する「ツクモ」と共催の形で、ルネサス製マイコン搭載の電子工作ボード「GADGET RENESAS(がじぇるね)」を用いたロボットイベントを開催した。
同イベントは、「自動で歩く昆虫ロボット 競技大会」と銘打たれたワークショップで、タミヤ製のリモコン操作型昆虫(クワガタ/カブトムシ)ロボットに、GADGET RENESASボードを搭載することで、自動化し、自分で障害物を避けながら進むロボットへと進化させよう、というもの。ルネサスでは、こうした手動ロボットの自動化を「覚醒」と呼んでおり、ロボット系イベントのキーワードにもなっている。
すでに2015年12月および2016年1月にも、「ロボット覚醒プロジェクト」として、ロボットの組み立てやGADGET RENESASボード、センサの取り付け、ロボットが自動で動くための電気回路やプログラミングの基礎などのワークショップを行っており、延べ70名の親子が参加していた。今回のワークショップは、そうして作成されたロボットの競技大会として開催されたもので、各々の自慢のロボットを、さまざまな障害物が設置された全長180cmのコースで走らせ、いかにセンサを活用して障害物を避けつつ、ゴールするかを競うものとなっていた。
参加数は20名で、参加ロボットは8体。小学生以上対象のイベントながら、その年齢層の中心は小学3年生ということであった。優勝(1位)を勝ち取ったのは、小学6年生の小林奈和さんの手による「うさぎさんチーム号」。デザイン賞を狙って、旗をつけるなどの工夫を施したほか、その重量増の克服のために、電池を従来の2個から3個に増やすことで、駆動能力を向上させるなどの工夫が施されている。また、開発ノートには、電気回路などがしっかり記されており、考えたうえでの工夫であることが見て取れる。
また、準優勝(2位)にはGADGET RENESASのマスコットである金魚型にロボットを"覚醒"させた「メカルミ号」が、デザイン賞にはレゴブロックを使って、操縦士が運転しているように工夫が施された「みさき号」がそれぞれ受賞した。
なお、ルネサス グローバルセールスマーケティング本部の岡宮由樹氏によると、「今回のプロジェクトの狙いは、意図しない動きをするおもちゃから、子供が新しい発見や発想をしたり、改造によって可能性を広げる過程から、自分のものへのこだわりを深めるなど、ものづくりに必要な気質を養うこと」とのことであったが、「我々の想定以上の工夫やデザインの成果を見ることができたことからも成功と言える。今後は、夏休みに大会を開くことを目標に、ロボットキットの販売やScratchへの対応などを図っていきたい」としており、今後のさらなる発展を目指すとしている。
昆虫ロボット競技大会レースの様子 |