LINEは1月28日、2015年の通期業績を発表した。それによると、2015年10~12月期の同社全体の売上額は前年同期比26%増の326億円、2015年通期の売上額は同40%増の1,207億円だった。また、基幹事業であるLINE事業単体の2015年10~12月期の売上額は同29%増の300億円、2015年通期の売上額は同43%増の1,105億円だった。

LINEの通期業績推移(2013年~2015年)

LINEの2015年12月末における月間アクティブ・ユーザー数(MAU: Monthly Active User)は、全世界で約2億1,500万人、日本・タイ・台湾・インドネシアの主要4カ国では約1億4,470万人になったという。

2015年第3四半期に引き続いて急速にユーザー拡大を続けているというインドネシアをはじめ、主要4カ国で月間アクティブ・ユーザー数が拡大した他、中東地域でも拡大しているとのことだ。

コミュニケーション分野の主軸というスタンプでは、人気キャラクターを用いた公式スタンプ、ユーザーがスタンプを制作・販売できる「LINE Creators Market」を通じたクリエイターズ・スタンプ共に、国内外で売上が堅調に増加いるとのこと。

コンテンツサービス分野の主軸というゲームでは、2015年第4四半期にグローバルで7タイトルを新たにリリースしたのに加え、「LINE:ディズニー ツムツム」や「LINE ポコポコ」などの既存タイトルが特に海外で売上を伸ばしたとしている。

広告分野では、LINE公式アカウント・スポンサード・スタンプやLINE フリーコインなど、企業と消費者を繋ぐマーケティング・プラットフォームとしての利用が進み、売上における広告売上の割合が2014年の27%から2015年には30%に高まったという。

日本では、2015年11月からLINEのタイムライン機能に広告配信・表示を行うテストを開始、同12月から外部企業案件によるトライアル運用を行っており、好調に推移しているという。今後はトライアル運用の結果も鑑みて、日本における本格運用の開始やLINEユーザーが多いタイ・台湾・インドネシアなど他の国・地域での運用も段階的に行っていくとしている。

さらに、法人向けサービスである「LINE ビジネスコネクト」は、日本での導入企業数が50社を超え、食品のデリバリーから金融機関での活用まで、ユーザーと企業との双方向コミュニケーションを生かした各種の事例が生まれているとのことだ。

この他、プラットフォーム展開では国内で展開しているニュース配信サービス「LINE NEWS」において、LINEの公式アカウントを使ったニュース配信機能を外部メディア向けに開放する「LINEアカウントメディア プラットフォーム」が奏功し、2015年12月時点の月間アクティブ・ユーザー数が2,200万人を突破したといい、さらにライブ配信形式の映像・番組を無料で視聴できるライブ配信プラットフォームである「LINE LIVE」を2015年12月10日に開始、開始から1ヵ月のユニーク視聴者数が1,100万人突破するなど、いずれもサービス開始直後から順調に成長しているとしている。

同社の出澤剛代表取締役社長は、「2015年度は、広告売上の伸びと日本以外の主要国での売上の伸びが大きく増加し、全体の売上をバランスよく増加させることができました。特にトップ・シェアを取れている台湾・タイにおいてプラットフォーム化を進め、売上も伸長しています。また、アプリ情報プラットフォームを提供するApp Annieが発表した2015年のパブリッシャー収益ランキング(ゲーム・アプリを除く)においては、3年連続で世界1位を獲得するなど、安定した収益基盤の構築が進み、世界的にも存在感を示すことができています。2016年においても、モバイル・メッセンジャーをハブとしたプラットフォームとしてさらに洗練させ、トップ・シェア獲得国の増加を目指してまいります」とコメントしている。