10年服用の経験から読み解く「ピル」のメリットとデメリットは?

こんにちは、トイアンナです。私はピルを使い始めて約10年になります。ピルをこれから使おうとする女性の相談もいただいてまいりましたが、「使った人のコメントがなさすぎて不安。正直副作用も怖い」とよく伺っていました。

今回は、個人の体験談レベルではありますが、ざっくばらんにメリットやデメリットをお伝えすることでピルへのハードルを下げ、興味を持つきっかけにつながればと思います。

ピルを飲み始めたきっかけ

私がピルを飲み始めたきっかけは、性犯罪の被害にあって以来、妊娠に対して強い恐怖を覚えたからです。当時はまだピルを飲むことが一般的ではなく、飲み始めるには「特別な理由」が絡むことも多くありました。

それ以外にも、PMS(月経前症候群)や生理不順もひどかったので、今は生理不順を治すためにピルを飲み続けています。

ピルを飲む前、私のPMSは「モンスター級」でした。泣きながら自殺を考え、遺書を書き、酒を飲んで暴れて眠る。はっきり言って生理前は「人にあらず」といった状態。

生理不順も、普通は「全然生理が来ない」ものと思いますが、私の場合は一度始まったが最後、2カ月も生理が続くという地獄。注射でホルモンを打って生理を止めても、翌月からまた2カ月生理。もはや"オムツ生活"と言っても過言ではありませんでした。

ピル服用10年

ピルは、1日1回、1錠を飲み続けます。飲み始めた当時は、まだ低用量ピルの避妊目的の使用が認可されておらず、「中用量ピル」という副作用が強いといわれるピルを飲むことになりました。「大丈夫かな」と思っていたのですが、副作用がなく拍子抜けしたのを覚えています(副作用には個人差があります)。

しばらくして「低用量ピル」が使えるようになったと知り、ミーハーだった私はすぐに乗り換えました。結果、ニキビが気になり、2カ月でギブアップして当初の中用量ピルへ戻りました。

とはいっても、「もっとすごいピルが出たぞ」と、まるで少年誌の敵がどんどん強くなるようにバージョンアップするピル。その後も新しいピルを試しては中用量ピルに戻り……ついに「超低用量ピル」にトライ。私は乗り換えて約1年になりますが、トラブルはありません。生理も順調に来て、PMSも緩和したのでとても幸せです。生理中も憂うつにならない生活よ、こんにちは!

ピルを飲むと「生理をずらせる」

ここまで経緯をお話してまいりましたが、ここからは個人的なピルを飲むメリットについて記します。まず、約99.9%ともいわれる高い避妊率。妊娠を望まない女性はもちろん、性犯罪など自分の身を守れないときに最低限妊娠を防げるというのは大きすぎるメリットです。なお、性感染症を防ぐためにはコンドームとの併用が推奨されています。

次に「生理がずらせる」ことも大きな利点。ささいなことですが、温泉旅行でも生理をずらして入浴できます。逆に私は温泉が苦手なので、わざと温泉の期間に生理をぶつけて「ごめん~生理だから入れないや」と逃げたことも多々あります(笑)。あとは、ビーチリゾート旅行中は生理が重ならないようにして海で存分に泳いだり、大事なプレゼンの日にPMSで精神が不安定にならないよう生理を早めたりしていました。

また、ピルを飲んでいる間は定期的に産婦人科へ通うので、婦人科の病気を早期発見できる可能性も高いでしょう。私は子宮筋腫があったのですが、即座に発見できたので常に経過観察ができました。

ピルを飲むデメリット

次にデメリットですが、ピルの種類を変える、もしくは新しく始めるときに1カ月ほど不正出血を経験しました。他にも軽い副作用として、体重増加、むくみ、吐き気、乳房のはりなどが出る場合もあるようです。また、出現頻度は少ないものの、重とくな副作用の1つである「血栓症」の重症化を避けるために、初期症状の知識が必要となります。これは医者が口を酸っぱくして説明してくれることが多いです。

最後に、喫煙者はピルを飲めないことがあります。私も葉巻を吸いますが、月に1本ならいいや、ということで飲む許可をもらっている状態です。年齢などで制限があるので、これはあらかじめお医者さまに相談するといいでしょう。

おわりに

ここまで、ピルを飲んできた体験と個人的に感じたメリット・デメリットを書いてまいりました。どんな薬もそうですが、ピルにもリスクはあります。

ただ、それ以上のメリットがあまりに大きいと私は感じています。避妊率が高いこと、身を守れること、生理不順が治ること、PMSがラクになること……こういった便益も踏まえると、私はピルを飲み続けたいですし、人へも勧めていきたいと思います。

※本コラムは個人の体験に基づくものであり、医療的な効果などを示唆・保証するものではありません
※画像は本文と関係ありません

著者プロフィール: トイアンナ

外資系企業で約4年勤務。キャリアの一環としての消費者インタビューや、独自取材から500名以上のヒアリングを重ねる。アラサー男女の生き方を考えるブログ「トイアンナのぐだぐだ」は月間50万ページビューを記録。現在もWebを中心に複数媒体でコラムを連載中。