マカフィーは1月20日、世界中の政府機関がサイバー戦争への投資を続けていると、セキュリティブログで指摘した。60カ国以上がサイバー戦争のために何らかの投資をしていると見られている。

ブログによると、現在は各国がサイバー戦争の軍拡のまっただ中で、サイバー戦争の主戦場となるサイバー空間は、陸海空、宇宙に次ぐ「第5の戦闘領域」と目されており、多くのリソースを投入し、数十億ドル規模の予算を計上する国家もある。

拡大が進む背景は、国の規模や地理的条件の影響がなく国家の大小を問わないため。その上、攻撃に使われるソフトウェアやコードは、使い方によっては従来の武器以上の威力を発揮すると期待されている。

軍拡については、ウォールストリートジャーナル誌の記事でも紹介されており、29カ国で正式なサイバー攻撃軍またはサイバー諜報部隊があるほか、49カ国がサイバー攻撃ツールを購入しているという。また、63カ国が国内外の監視目的でツールを活用しているようだ。

マカフィーは、こうした状況が「サイバー兵器が犯罪者に渡る」という点を危惧している。開発された兵器は、世界中の軍事関係者が攻撃力の大きさの計測、脆弱性を見つけるために入手しようとする。そうした中で、インターネット上に兵器のソースコードが流出することも考えられる。そうなると、犯罪者の手に渡る可能性が非常に高く、その場合は大量生産されて、個人や企業を脅かす恐れがある。

少なくとも軍事レベルのサイバー兵器の一部が最終的には犯罪者やその他の悪意を持った人々の手に渡り、企業や個人、その他の標的への攻撃に悪用される可能性が高いとマカフィーでは懸念している。

また、今後もさらなるサイバー兵器の開発が進められるとしており、「超兵器」と呼ばれるものが登場することで、セキュリティ専門家の手にも負えなくなる可能性がある。