ゼネラルパートナーズは、障がい者雇用に取り組む企業担当者109名を対象に、2018年の法改正に伴う「法定雇用率引き上げの可能性」に関する調査を実施した。調査期間は2015年11月27日~12月4日。
自社の雇用率の目標を2.3%と定めている企業が15%
現在、法律では民間企業は従業員数の2.0%以上の障がい者の雇用が義務付けられている。厚生労働省が発表した「平成27年 障害者雇用状況の集計結果」によると、民間企業における障がい者の実雇用率は1.88%となり、過去最高を更新した。2018年には改正障害者雇用促進法が施行され、法定雇用率はさらに引き上げられる見込み。
2018年の法定雇用率の引き上げを見据え、自社の雇用率の目標をどのように定めているか尋ねたところ、最も多いのは「2.0%(現行)」(28%)だった。次いで現行よりも高い「2.3%」(15%)となっている。企業規模が大きいほど、現行の2.0%よりも高い雇用率を目標として定めている傾向が見られた。
具体的には、従業員数1,000人以上の企業では、雇用率の目標を2.3%にしているという回答が多く、従業員数1,000人未満の企業では2.0%(現行)という回答が多くなっている。
40%が直近1年以内に精神障がい者を採用している
直近1年以内に採用した障がい者の、障がい者手帳の種類について尋ねたところ、74%が「身体障害者手帳」、40%が「精神障害者保健福祉手帳」と回答した。その内訳を企業規模別に比較すると、従業員数1,000人以上の企業では発達障がい者の割合が最も多く、従業員数1,000人未満の企業では気分障がい・不安障がいの割合が最も多かった。
法定雇用率の引き上げを見据え、「実際に取り組み始めていること」について聞くと、「特に取り組んでいることはない」は26%に留まり、74%は何らかの取り組みを既に始めていることがわかった。具体的には、31%が「障がいに関する情報の収集」、29%が「社外の障がい者支援機構との連携」と答えている。
直近1年以内に精神障がい者を採用した企業では「社外の障がい者支援機関との連携」(50%)という回答が最も多かった。精神障がい者を採用した企業は、精神障がい者を採用していない企業よりも「社外の支援機構との連携」を重視していることもわかった。