リコージャパンは1月18日、出版物の制作工程における文字校正業務を効率化するリモート・プルーフシステムがKADOKAWAに採用されたことを発表した。

同システムは、KADOKAWAの協力のもと要件を定義し、開発したものとなっており、校正に関わる情報を管理して校正紙に付加するためのシステムやスキャン/印刷に関わるシステム、カラープロダクションプリンタ「RICOH Pro C5100」などで構成されているという。KADOKAWAが新たに導入したコンテンツ・マネジメントシステムに対して、リコージャパンのオンデマンド出力技術とスキャン技術を連携させることで、文字校正業務の完全オンライン化対応を実現させたとしている。

これまで同様に校正の赤入れは紙で行うというワークフローを維持しながら、物理的に行っていた校正紙の受け渡しや、校正情報や確認項目の共有を、デジタル化したプラットフォーム上で行えるようになり、初校・再校といったバージョン管理を行った上でデータを共有することも可能としている。これにより、遠隔地とでも校正紙のやり取りが可能となったほか、校正紙の配送の時間・コストや配布の手間が削減される。

文字校正作業に関わる編集者、著作者、校正者以外に、印刷会社などの組版、製版オペレーターなど、制作中の作品に権限を有する担当者のみがシステムにアクセスし、最新の校正紙情報を共有、印刷できるようになっている。印刷の際は、管理番号やステータスなどを自動で差込印刷できるため、常に最新版であることを確認しながら、作業が進められるという。

また、文字校正後の校正紙をシステムに保存する際は、印字されたQRコードを複合機で読み取ることで、ページ抜けやステータスの確認を行い、原稿名を確認した上で、自動で保存場所を識別し、保存される。さらに、保存する際に関係者にメールで通知することも可能となっている。

赤入れした箇所が明示される「しおり機能」も搭載されており、修正ページの有無がすぐにわかるようになっている。

リコージャパンは、今回開発したシステムの活用を今後ほかの出版社や印刷会社にも提案していくとしている。