NTTアドが1月12日に発表した調査レポート「空気読本 vol.16」によると、ハロウィンでの仮装など共通のテーマで大勢の他人と一緒に盛り上がる「シブヤ的群衆行動」の参加経験者は、関東圏在住の若者では43.7%に上り、男女別では女性の方が高かったという。

同調査は同社が2015年10月28日・29日にインターネットを通じて、埼玉県を除く関東1都5県に在住する16歳~39歳の男女800人(「シブヤ的群衆行動」参加経験者・非経験者の各400人)を対象に実施したもの。

「シブヤ的群衆行動」への参加頻度を学生と社会人とで比較すると、男女とも学生の方が社会人よりも参加頻度が高い回答者が多く、可処分時間の多さが影響していると同社は見る。

「シブヤ的群衆行動」への参加頻度比較

認知経路を見たところ、「開放的で群れたい派」は、「友人と会って話を聞いて」が44.6%と最も高く、また「ひとりの友人からの連絡(メールやメッセンジャーなど)を見て」が30.2%、「仲間内同士でのグループチャットなどを通じて」が22.3%と、全体に比べて高い。フェイス・トゥ・フェイスでの情報交換に加えて、オンラインでのワン・トゥ・ワンやグループ内での情報交換も活発に行っていると同社は分析する。

「シブヤ的群衆行動」の認知経路

一方「閉鎖的で群れたくない派」は、「友人と会って話を聞いて」が46.9%と最も高いが、「ひとりの友人からの連絡(メールやメッセンジャーなど)を見て」が17.3%、「仲間同士でのブログ、SNSでの投稿を見て」が9.9%、「仲間同士でのグループチャットなどを通じて」が3.7%と、全体に比べて低い。フェイス・トゥ・フェイスでの情報交換を重視してはいるものの、オンラインでの情報交換はあまり行っていないと同社は見ている。

男性の社会人では「友人と会って話を聞いて」が59.1%と最も高いが、「ネットのニュースを見て」が27.3%、「テレビのニュースを見て」が19.7%と全体に比べて高く、友人からの1次情報に加えて、メディアの2次情報に対するロイヤリティも高いとしている。

「シブヤ的群衆行動」へのこだわりを属性別に分析すると、「開放的で群れたい派」では「気心の知れた友人と一緒であること」が62.6%と最も高く、「共通の趣味を持った友人と一緒であること」が41.0%、「共通の趣味を持った人たちと出会えそうなこと」が25.9%、「テーマやコンセプトに共感できること」が24.5%と全体に比べて高いことから、参加者やイベントのテーマそのものに共感できるかを重視していると同社は見る。

「シブヤ的群衆行動」へのこだわり

女性の学生では「エンターテインメント性が高いこと」が21.2%と全体に比べて高く、「シブヤ的群衆行動」に娯楽性を求める傾向が強いという。

普段のコミュニケーション手段を尋ねると、「開放的で群れたい派」ではLINEが87.8%と最も多く、メッセンジャー(LINEなど)が84.2%、Twitterが39.6%、Facebookメッセンジャーが20.1%、Instagramが15.1%と全体に比べて多いことから、ワン・トゥ・ワンや不特定多数とのネット・コミュニケーションを上手に使い分けていると同社は分析する。

「閉鎖的で群れたくない派」ではメールが42.0%と全体に比べて高く、Twitterは21.0%、Facebookは19.8%、Facebookメッセンジャーは8.6%、Instagramは3.7%と、全体と比べて低い。この層は、LINEとメールによるワン・トゥ・ワンのネット・コミュニケーションに偏る傾向が見られ、ソーシャルな属人性を形成するSNSの利活用については消極的と同社は見ている。