JR北海道は22日、北海道新幹線開業に向けて青函トンネル内の避難誘導整備を増強すると発表した。2つの旧海底駅で携帯電話がつながるようにするほか、一時避難所としての機能を充実させる。
携帯電話の通信が整備されるのは、本州側の竜飛定点(旧竜飛海底駅)と北海道側の吉岡定点(旧吉岡海底駅)。青函トンネル内で異常が発生した場合、救援列車が助けに来ることもあるが、状況によってはこれらの定点から「斜坑」と呼ばれる急勾配のトンネルを通って地上に出ることもあるという。
定点から地上までは作業用ケーブルカーで移動できるが、一度に15人しか乗れないため、乗客全員の避難が完了するまでに長い時間を要する。1,000段以上ある階段を自力で歩いて避難することも可能だが、それが難しい人は定点でケーブルカーの順番待ちをしなければならない。こうした状況を受けて、竜飛・吉岡の両定点を携帯電話通信エリアとして整備し、乗客が外部と連絡を取れるようにする。あわせて固定式椅子や簡易トイレの増設、エアクッションや段ボールといった床に座るための備品の備蓄などを行い、定点の避難場所としての機能を増強させる。
ケーブルカーの荷台に載せる23名座席ユニットも導入。異常発生時にはこれを使って定員を38名に増やし、定点での待機時間短縮を図る。