かっこは12月1日、インターネット通販事業者向けに、不正な注文を検知するASPサービス「O-PLUX」の機能追加や価格体系の変更を行い、サービス提供を本格化させると発表した。

かっこ 代表取締役社長 岩井裕之氏によれば、インターネット通信販売(以下ネット通販)の決済方法は、大まかにクレジットカード(63.4%)、コンビニエンスストアなどでの後払い(15.5%)、宅配便などでの代金引換(14.5%)の3種類があり、この中のクレジットカード決済と後払い決済(注文した商品が届いた後に、コンビニや郵便局で支払いができる決済方法)で不正が多いという。

決済方法別構成比

クレジットカード決済では、不正に取得したクレジットカード情報で所有者になりすまして注文する詐欺被害があり、後払い決済では、代金が未払いになる事態が発生しているという。後払いによる不正手口としては、ウィークリーマンションのような一時滞在場所で商品を受け取ってその後引き払ってしまうケースや、請求先の住所を他人や架空の情報にして商品を配送中の配送会社営業所で受け取って請求を逃れる方法などがあるという。

不正注文の全体像

同社のサービスを利用しているケースでは、不正注文率は、クレジットカード決済では1.83%、後払い決済では5.85%になるという。

同社サービス利用ユーザーの不正注文率

そこで同社では、インターネット通販事業者向けに、不正な注文を検知する「O-PLUX」を提供している。

同サービスは、注文者の入力情報や端末情報を同社のデータベースと照合し、購入頻度等の異常値を検出する「注文時不審情報」、同社が収集した不正に使われやすい住所と照合する「不審送付先情報」、導入店で蓄積した「共有ブラックリスト」、複数の導入店での異常傾向と一店舗での詳細な異常傾向を常にモニタリングして、新たな手口の傾向をつかみスコアリングした「大型詐欺手口モニタリング情報」、「導入店既存ノウハウ」の5つの情報をビッグデータ解析で複合的に審査して点数化し、「OK」、「保留」、「NG」を判定する。

「O-PLUX」の概要

また、新しい機能としては、これまでネット通販事業者から注文データを受け取る際には、APIまたはCSVを用いていたが、新たにタグ方式を加え、導入が簡易で低費用で利用することができるようにした。

同サービスはすでに2000サイトに導入されているが、これまでは大手サイト向けにカスタマイズ対応型でサービスを提供していた。今回は新たに決済別、注文件数規模いによる料金体系も追加し、導入しやすい体系とした。今後は、新たに決済代行業者を通じた販売も開拓し、月商数百万円程度の小規模なECサイトでの導入を推進していくという。

新価格体系