博報堂生活総合研究所はこのたび、生活者が選ぶ「2016年ヒット予想」を発表した。

同レポートは、2015年に世の中で注目されたと思われる商品やサービス、コンテンツなどを生活者に提示し、「2016年以降、話題になりそう/人々の生活に普及・浸透していそう」と思うかどうかを調査し、「そう思う」「ややそう思う」という予想の強弱を反映するよう結果をポイント化したランキングとヒット予想の理由を分析しまとめたもの。これによると、2016年に話題化・浸透化しそうなものとして、外国人観光客やテクノロジーの進化、新しい制度などが上位に多数ランクインした。

生活者のポイント付けによる「2016年ヒット予想」ランキング(データ : 博報堂生活総合研究所)

1位は、政府の成長戦略でもある「外国人観光客」。同研究所によると、生活者によるヒット予想の理由から、日常の暮らしにおける"居ながらの国際化"に前向きに向き合おうとしている様子がうかがえるという。また、外国人観光客の増加を通じ、日本の文化や自然、食事などの良さが認められていると受け止めてもいる人もいるようだ。

2位3位4位には車関連がランクイン。生活者は、安全面や省エネ面での進化を期待している傾向が見て取れる。特に、2位「自動衝突回避システム」は、高齢ドライバーの事故との関連で50代~60代の男性の関心が高くなっているという。また、14位「実用型ロボット」20位「音声認識アシスタント」30位「IoT」など、新しいテクノロジーが身近な実用段階に入ったと考える生活者も多い様子。中でも、ロボットは介護など高齢社会でのさまざまな活躍を期待する声が目立ったという。

納税の新しい制度といえる「ふるさと納税(5位)」は、「"お得"という側面が強い一方、地域貢献になる点にも共感が集まっている」と同研究所は説明。「シェアサービス(15位)」では、既に車や部屋の共有が進んでおり、今後も共有した方が合理的なモノ・空間などは、シェアが進むと予想される。

ランキングを性別・年代別に見てみた!

男女別の特徴としては、上位4位まで同じ傾向がある一方、男性は「格安SIM」や「ドローン」、女性は「インスタグラム」「スーパー・コンビニのPB惣菜」「イートインスペースのある店」「電子書籍」などが上位に挙がる点で違いが見えたほか、「ふるさと納税」は女性の得点が男性を上回る結果(女性のほうが期待値が高い結果)となった。

男女別 : 生活者のポイント付けによる「2016年ヒット予想」ランキング(データ : 博報堂生活総合研究所)

次いで、年代別で見てみたい。男性の場合、全年代において4位までは似た傾向が見て取れるが、男性10代では「新型スマートフォン」「ドローン」が上位に挙がるのが特徴的。男性の20代以上では「格安SIM」が上位に食い込んでおり、携帯電話の通信費削減への関心の高さがうかがえる。

一方女性の特徴としては、10代~40代のすべてにおいて「インスタグラム」が上位に入っていることが挙げられる。女性30代では「スーパーやコンビニのPB惣菜」が「お手軽で安くておいしい」という理由で、「ふとん掃除機」も「干さずに済む」「性能が上がっている」ということでランクイン。40代では「ふるさと納税」「プレミアム付き商品券」が上位にくる結果になった。

年代別 : 生活者のポイント付けによる「2016年ヒット予想」ランキング(データ : 博報堂生活総合研究所)