2人芝居『オレアナ』に出演する田中哲司(左)と志田未来

女優の志田未来が、俳優・田中哲司との2人芝居『オレアナ』(東京公演は11月6日~29日、渋谷・パルコ劇場)で初の舞台に挑むことになり、5日、同劇場で公開リハーサルと取材会が行われた。

同作は、志田演じる学生・キャロルが、田中演じる大学教師・ジョンと、会話の応酬を重ねれば重ねるほどコミュニケーションが悪化し、ついにはキャロルがセクハラを訴え、実際には起きていないレイプ事件にまで問題をエスカレートさせるというストーリー。それぞれ自身の役どころを「僕は被害者だと思ってやってます。(キャロルは)ひどいな、と思ってます」(田中)、「私もキャロルは被害者だと思っているので」(志田)と語り、すっかり感情移入していた。

これが初舞台となる志田は「今まで(舞台)は怖くて逃げてきたので…」という心境だったが、「自分はずっと安全なところにいるなと思って、新しいことに挑戦しようと思いました」と覚悟を語る。実際に取り組んでみると「セリフを覚えるのが大変でした。失敗できないプレッシャーもあるので」と、映像作品とは違う難しさを実感したようだ。

そんな志田に、田中は「(2人芝居という)相当なハードルを越えるきてると思いますが、それを今完璧にやってるんで心強いですね」と、公演前ながら太鼓判。セリフを覚えるスピードが志田に追いつかず、「僕、邪魔してました」と、自分を下げながら、志田を絶賛した。

セリフに不安を覚えていた田中は、稽古前に一度だけ志田に送ったというメールで「セリフどれくらい入ってる?」と探りを入れたほど。一方、志田から送ったメールは「明日(稽古)何時ですか?」と、絵文字もなく事務的な内容だけだったといい、図らずも芝居同様、2人はプライベートでも親密なコミュニケーションをとることはなかったようだ。

同舞台は、東京公演の後、12月1日・2日に愛知・豊橋市、同5日・6日に福岡・北九州市、同8日に広島市、同12日・13日に大阪市での公演も予定されている。