特許庁は27日、4月1日から出願受付を開始した音商標、動き商標など新しいタイプの商標について初めて登録を承認したことを公表した。

4月からの総出願数は1,000件以上

商標とは事業者が自社製品やサービスを他社と区別するために使用するもの。これまでは文字・記号・図形・立体形状及びそれらを組み合わせたものであれば商標登録が可能だった。

新タイプの商標については、2014年に商標保護対象と地域団体商標の登録主体の拡充を定めた商標法の改正が決定。新たに音、動き、位置、ホログラム、色彩に関する商標登録が可能になった。

同法改正を受け、特許庁は2015年4月1日から新タイプの申請受付を開始。10月23日までの出願総数は暫定1,039件にのぼった。同省は商標出願順に審査を進め、このたび初めて新しいタイプの商標について登録を認める旨の判断を下した。

新しいタイプの商標の登録査定の内訳

このたび登録が認められた新タイプの商標は計43件。内訳をみると、久光製薬や味の素、小林製薬などが出願した音商標21件、ドクターシーラボや富士通、エドウィンなどの位置商標5件、東レや東宝などの動き商標16件、三井住友カードのホログラム商標1件となっている。

出願された商標は、出願人から登録料が納められた後に商標登録される。今回発表された以外の商標出願については、引き続き審査を行う。

登録を認める旨の判断をした新しいタイプの商標の例

特許庁は「新しいタイプの商標は、言語を超えたブランド発信手段として、企業のブランド戦略に大きな役割を果たすことが期待される。引き続き、新しいタイプの商標出願についても、適切な審査に努め、企業のブランド戦略構築を支援していきたい」とコメントしている。