漫画家・大今良時氏の漫画を原作とした劇場アニメ『聲の形(こえのかたち)』(公開時期未定)の制作を、京都アニメーションが担当することが明らかになった。『たまこラブストーリー』(2014年)や『映画 けいおん!』(2011年)などを手がけてきた山田尚子監督がメガホンを取る。

『聲の形』原作のロゴ (C)大今良時/講談社

本作の原作は、手塚治虫文化賞新生賞、コミックナタリー大賞、『このマンガがすごい! 2015』(宝島社)オトコ編第1位など数々の賞を受け、漫画誌『週刊少年マガジン』(講談社)で2013年から2014年まで連載されていた同名作品。漫画では、先天性の聴覚障害により周囲からいじめを受けていたヒロイン・西宮硝子と、硝子のいじめの中心的存在だったことから逆に自身もいじめの対象となってしまった主人公・石田将也の交流や贖罪(しょくざい)の意志、恋心などが描かれていた。

2014年11月に劇場用アニメーション化が明かされており、このたび、その制作が『響け! ユーフォニアム』(2015年)や『中二病でも恋がしたい!』シリーズなどで知られる京都アニメーションであると発表された。TVアニメの頃から『けいおん!』シリーズや『たまこ』シリーズを手がけてきた山田監督は、「他人について知りたいと思うこと、知ろうとすること。その思いの伝え方は人それぞれで、たくさんの形があるように思います」とした上で、「明日に続く希望の兆しをこの作品で将也たちと一緒に探っていきたいです」と意気込みを話す。

原作者の大今良時氏は「アニメでしか表現できないことがたくさんあると思います。どうなるんだろう? 今からわくわくしています」とメディアミックスならではの感慨を語った。続けて、「漫画では自分の家族や友人などの身近な人や、全く身近でない人をお話にしました」とその裏側を明かし、「アニメでは皆さんが自分のお話だと思えるような作品になると思います」とアピール。「より多くの人にとって、より身近な『聲の形』になりますように。想像できるもっと外側の驚きを山田監督なら表現してくれると思います」と期待を寄せた。