フィールドサービス業務向けクラウドサービスを提供する米ServiceMaxは、10月6日、都内で記者会見を開催し、フィールドサービス業務支援クラウドサービス『サービスマックス』の国内提供開始を発表した。

同サービスはセールスフォースのプラットフォームを利用したサービスで、顧客/契約/設置機器管理から、作業指示/部品管理、スケジュール管理および蓄積された履歴データの分析(例:作業員稼働率/初回解決率/SLA遵守率等)といった一連のフィールドサービス業務全般を可視化できる管理者機能に加え、モビリティ技術による作業報告/見積もり/顧客検収のデジタル化や情報共有(マシンデータ/製品マニュアル/SNSツール他)といった機能を提供する。すでに北米、欧州で提供されているが、アジアでは日本が初となる。

米ServiceMax CEO David Yarnold(デービッド・ヤーノルド)氏

来日した米ServiceMax CEO David Yarnold(デービッド・ヤーノルド)氏は、同社の特徴について、「我々は、2007年にセールスフォース・ドットコムのイベントであるDreamForceで立ち上げ、現在では世界に500以上の顧客がおり、セールスフォースのISVの中で第3位に位置づけられ、市場で成長を続けている。フィールドサービス市場は、グローバルでは180億ドル以上あるが、ソフトウェア企業はあまり注目していない。そこにわれわれのチャンスがある」と述べた。

また同氏は、『サービスマックス』のメリットを「世の中にはエネルギー、医療、産業機器など、さまざまな業種にフィールドサービスがある。フィールドサービスのエンジニアは世界で2000万人おり、それが我々のお客様だ。これまで我々は、フィールドサービスを提供する企業が利益を上げ、成長し、良好なサービスを提供できるように支援してきた。そのため我々はコネクテッド・サービス・プラットフォームを作りあげた。このプラットフォームでは、人(Person)、プロダクト(Product)、プロセス(Process)、契約(Promise)という4つの『P』が中核で、これらをモバイルで利用できるようにした。また、IoTにも注力しており、データを読み取ってダウンタイムの無駄を排除できる。私はもともと会計士で、顧客がサービスを使った結果もモニタリングしてしている。その結果、導入企業では平均で22%で売上が上がっており、初回での解決率が17%で、24%の企業が生産性があがっている」と説明した。

コネクテッド・サービス・プラットフォーム

そして同氏は日本市場について、「日本はもっとも成長している市場で、品質の高さに対する優先度が高い。そのため我々のサービスは日本の琴線に触れる」と語った。

『サービスマックス』の対応業種

続いて登壇した米ServiceMax COO Scott Berg(スコット・バーグ)氏は、フィールドサービスの変化について語った。

米ServiceMax COO Scott Berg(スコット・バーグ)氏

「フィールドサービスが売上、シェアの拡大に貢献しており、製品自体よりも重要になっている。その結果、サービスが製品そのものになっている。また、フィールドサービスは新しい次元に入っており、接続性が重要になってきており、M2Mが注目されている。お客様は製品ではなく、その製品から得られる結果を買っている、将来、ビジネスモデルはここに向かっていく。我々のサービスには、次の次元のフィールドサービスに必要なものがすべて揃っている。我々が提供する付加価値は、我々のサービスを利用することで、一人ができる作業量を増やすことができる点だ。これによって、売上、シェアの拡大、生産性の向上、コストの削減、コンプライアンスの準拠などを提供できる」と述べた。

スコット・バーグ氏は次の次元のフィールドサービスに必要なものがすべて揃っていると主張

サービスマックス株式会社 代表 垣貫己代治氏

また、国内の事業戦略について、米ServiceMax 日本担当副社長 兼 サービスマックス株式会社 代表 垣貫己代治氏が説明。同氏は、「日本でサービスを開始するあたっては、日本基準を大事に考えてきた。私も外資系企業にいたが、外資の企業は海外のソリューションをそのまま日本に持ってくればうまくいくだろうと考えているが、失敗するケースが多い」と述べ、今後は、日本基準で日本独自の機能を提供する意向を示し、第一弾としてナビタイムとの連携を発表した。

日本基準でのサービス提供に向けた3本の柱

日本基準での提供に向け、国内では、国内体制の強化、ローカリゼーション(日本語化)、パートナーシップの3つを柱にするという。体制としては、現在は少数だが、来年度は20名体制まで拡張する予定だという。

ローカライズされた日本語バージョン

また、海外では直販のみだが、国内では100%パートナーを介した間接販売とし、国内法人は啓蒙、提案、導入後の支援を行うという。垣貫氏によれば、ユーザーは個別の設定・変更を行い、3カ月程度でサービスが利用可能になるという。なお、価格については、今後発表するという。

国内パートナー