本田財団は28日、今年の本田賞(Honda Prize)を、医療用ロボット開発の先駆者であるラッセル・テイラー米ジョンズ・ホプキンス大学教授に授与すると発表した。

テイラー教授は、医療用ロボットが存在していなかった40年前から開発に携わり、世界的なリーダーとしてこの分野を先導してきた。現在も、ジョンズ・ホプキンス大学のコンピュータ統合外科手術用システム技術工学研究センターと計算センシング・ロボティクス研究所の所長を務め、医療用ロボット領域の技術進化と人材育成に当たっている。

教授の業績は、人工股関節置換手術支援ロボット「ROBODOC」プロトタイプの開発、頭蓋顎(がく)顔面手術のための外科手術支援システムの開発、腹腔(こう)鏡下手術支援ロボットシステムの開発など多岐にわたる。腹腔鏡下手術支援ロボットシステムの安全性に関わる基本的な考え方は、現在、医療現場に広く普及しているコンピュータ補助手術システム「ダヴィンチ」にも取り入れられている。

授与式は、11月17日に東京都の帝国ホテルで開かれ、メダル、賞状とともに副賞1,000万円がテイラー教授に贈られる。

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