特急「サンダーバード」に使用される683系のリニューアル車両が26日、大阪~金沢間で営業運転を開始した。今後、同列車に使用される全車両(683系・681系)でリフレッシュ工事を行い、2018年度末までに順次投入する計画とされている。
JR西日本は特急「サンダーバード」のサービス向上への取組みとして、車両のリフレッシュ工事を進めていく。外観は「サンダーバード」らしさを残しつつ、車体前面にブルーのラインを配し、窓回りのカラーリングも変更した。「サンダーバード」をモチーフに、北陸新幹線の車両にも使用されるカッパー(銅色)を取り入れた新しいシンボルマークもデザインされ、車体側面に掲出されている。
普通車の座席はブルーを基調とした配色に。グリーン車もシックな色調となり、座席の座り心地も改善された。「サンダーバード」全車両において、グリーン車全席と普通車の出入口付近の席(1両あたり8席)にコンセントが設置されるという。身障者対応トイレとグリーン車のトイレに、JR西日本の在来線車両では初となる温水洗浄機能付き暖房便座を導入。他のトイレもすべて暖房便座となる。
リフレッシュ工事を行った編成(683系T51編成)は9月25日に報道公開され、翌26日から営業運転がスタート。付属編成3両を連結した12両編成で、金沢駅8時5分発の上り「サンダーバード10号」、大阪駅12時12分発の下り「サンダーバード21号」、金沢駅16時56分発の上り「サンダーバード38号」で運用された。新デザインの車両をひと目見ようと、鉄道ファンらが北陸本線の各駅や沿道に集まっていた。
北陸新幹線金沢開業にともない、特急「サンダーバード」は富山方面への運行が取りやめに。関西・北陸間の利用低下も懸念されたが、JR西日本によれば新幹線開業から半年間の利用状況は前年比104%で、とくに北陸方面への観光利用が増えているという。リニューアル車両で運転された上り「サンダーバード38号」も、金沢駅を発車する時点で指定席がほぼ埋まり、自由席も混雑するなど、多くの利用者でにぎわっている様子だった。
683系リニューアル車両の外観・内装など
9月25日の報道公開にて撮影 |