アドバンスト・メディア 代表取締役会長兼社長 鈴木清幸氏

アドバンスト・メディアは9月10日、人工知能を活用した音声対話システムであるバーチャルオペレーター・ソリューション「AmiAgent」を10月1日より販売開始すると発表した。

初めに、代表取締役会長兼社長の鈴木清幸氏が事業戦略について説明した。同氏は、「現在の人工知能は、『おもてなしの心』が表現できないなど、人と共創する部分でまだ不十分。われわれは、自然に話すだけで機械が理解する『ソフトコミュニケーション』という側面で人工知能を活用することで、Human Communication Integrationを実現していきたい」と語った。 また、IoT(Internet of Things)については、同社が開発した音声認識技術「AmiVoice」をベースに、また、AOIエージェントをゲートウェイとして、「知的エージェント」「言語処理」といったサービス層と声をカギにした技術により取り組んでいくと説明した。

自然なコミュニケーションが当たり前のHCI(Human Communication Integration)の実現を目指す

アドバンスト・メディア 応用技術部 森脇健氏

新製品の「AmiAgent」については、応用技術部の森脇健氏から説明が行われた。同氏は、同社が目指す人工知能を活用したソリューションについて「JUIとおもてなしを満たすものでなくてはならないと考えている。Jとは喜び(Joyful)、Uとはとは便利さ(Useful)、Iとはなくてはならない存在(Indispensable)を意味する」と述べた。このコンセプトに基づくソリューションがAmiAgentというわけだ。

AmiAgentは、頭脳に当たる対話エンジン「AOI」、キャラクター、音声認識技術「AmiVoice」、音声合成エンジン、外部システム連携から構成されており、サービスに合わせて必要な機能を提供する。

昨今、人工知能はブームを迎えており、さまざまなベンダーから関連技術が提供されているが、森脇氏は競合の技術に対するAmiAgentのアドバンテージについて、「プラットフォーム、提供機能など、守備範囲が広いところ。女性キャラクターがユーザーインタフェースとなっているため、親しみやすいうえ、冗談にも答えるなど、楽しさもカバーしている」と語った。

AmiAgentの概要、競合技術との比較

デモでは、AmiAgentが森脇氏のさまざまな質問に対し、表情豊かな様子で的確に回答していく様子が披露された。

AmiAgentの利用画面

AmiAgentの活用例としては、すでに銀行などが人工知能技術の採用を始めているコンタクトセンター、販売促進、ロボットへの提供など、さまざまなシーンが考えられるという。

また、同社とトランスコスモスは今年5月、AmiAgentを活用した「ハイブリッド多言語コンタクトセンターサービス」の提供開始を発表している。同サービスは、スマートフォンアプリ、バーチャルオペレーター、コンタクトセンターの3段階で多言語の問い合わせに対応する。

AmiAgentの提供価格は、初期費用(カスタマイズ費含む)が200万円から、月額利用料がビジネスモデルに合わせた従量制となっている。