音声会議システムなどを提供するポリコムの日本法人、ポリコムジャパンは9月1日に、ポリコム製品で初めてWebRTC(プラグインなしでWebブラウザ間のビデオ通信、音声通信、ファイル共有ができるリアルタイムコミュニケーション用API)に対応した、コラボレーション ソフトウェア ソリューション「Polycom RealPresence Web Suite」を日本市場で販売開始することを発表した。

ポリコムは設立から25年、日本での展開も20年となり、同社によると現在グローバルで顧客数は40万社にのぼるという。ポリコムジャパンの代表執行役社長 三ツ森隆司氏はポリコムのミッションを「バーチャルでさまざまな人と仕事ができるワークプレイスの提供」と紹介した。また、同社の注力エリアとして、「テクノロジーの革新」「エンタープライズ向け」「マイクロソフトとの連携」の3点が挙げられた。

ポリコムジャパン 代表執行役社長 三ツ森隆司氏

「新システムは、外からモバイルなどで会議に参加できるという範囲を超え、ベンダーやクライアントなど、外部の会社の人たちともバーチャルな会議を行うことができる。ポリコムでは、業界に先駆けてWebRTCをエンタープライズ向けにビデオ会議ステムで利用できるようにした。われわれはあくまでエンタープライズ向けにサービス提供しており、拡張性やセキュリティ面を重視している。拡張性については、利用ユーザーは実質無制限に拡張できるようになっており、セキュリティについては、オンプレミスやプライベートクラウドなど、それぞれの環境にあわせて、暗号化などのセキュリティ技術を提供している」(三ツ森氏)

三ツ森氏によると、マイクロソフトとは戦略的パートナーシップを結んでおり、共同でソリューション開発に取り組んでいるという。ポリコムが提供する40製品以上が、マイクロソフトサービスとネイティブインテグレーションされているという。

新製品の大きな特長としては、「WebRTCの採用」と「他社との会議」の2点が挙げられる。WebRTCによって、ユーザーは場所を選ばずに、どのデバイスからでも、ビデオ会議に参加することができるという。また、これまで他社とビデオ会議を行おうとすると、ファイアーウォールなどの規制により、接続が難しいケースがあったが、これに対して新製品は誰とでもコミュニケーションを行うことができるとしている。

「Polycom RealPresence Web Suite」の特長

新製品には、ベーシック版と上位版となる「Polycom RealPresence Web Suite Pro」の2種類のライセンスが用意されている。ベーシック版・上位版ともに利用できる機能としては、音声会議(ビデオ会議)、グループチャット、デスクトップ共有となっている。上位版では、WebRTCに対応しているほか、複数コンテンツ(資料など)のアップロードと最大6コンテンツの切り替えが可能となっている。また、会議の参加者は、アップロードされたコンテンツをダウンロードすることができ、会議中にアノテーション(注釈付け)を行うこともできる。

複数コンテンツの共有

コンテンツに書き込みができる

3者間でのビデオ会議風景

テレビ会議システムからも接続できる

会議を始めるには、まず招待メールを送信する。メールにはWEBのURLが記載されており、このURLをクリックすることで、会議に参加できるようになっている。URL以外にも、VMR番号やSIPなどが記載されており、さまざまなプロトコル端末から会議に参加できる仕組みとなっている。

招待メールに記載されている内容

左下の「今週のミーティング」に参加予定の会議が表示される

会議を選択すると詳細情報が表示される。ここからURLをクリックすると会議に参加できる

新製品を利用するには、さまざまなプロトコルをマネージする「DMA」や端末を管理する「Resource Manager」など、必要なコンポーネントがある。日本で展開する「Polycom RealPresence Web Suite」はオンプレミス環境となるため、直近は必要なコンポーネントを保持している既存顧客に対して、アプローチをしていくという。グローバルでは、クラウドなどのサービスでの提供もされており、今後は日本での展開も予定している。新製品はポリコムの認定販売代理店を通じて提供され、オープン価格となっている。