芥川賞を受賞した、お笑いコンビ・ピース又吉直樹の小説『火花』が、さらに40万部増刷され、累計発行部数が209万部になることが4日、出版元の文藝春秋から発表された。これで18刷となり、ついに200万部を突破した。

芥川賞受賞会見でのピース・又吉直樹(7月16日=東京・帝国ホテル)

現在、重版分が店頭に出されたそばから売れ、依然として全国的に品薄状態にあるが、解消される傾向にある。それでも、8月下旬に芥川賞の授賞式が控え、大きな話題になることが予想されることから、事前に書店の在庫を確保するために、大幅な増刷を判断した。

又吉は「ありがとうございます。『火花』が多くの皆さまに届くことがうれしいです。僕も、この夏はたくさん本を読もうと思っています」と、控えめながらも喜びのコメントを出している。

7月16日の芥川賞発表から、発行部数として、実に145万部を増刷。累計で209万部となり、文藝春秋が刊行した単行本としては、R・J・ウォラーの『マディソン郡の橋』(256万5000部/1993年刊)に次ぐ、歴代2位の発行部数となった。

又吉が、芥川賞受賞後に書き上げた最新エッセイ「芥川龍之介への手紙」が掲載される、8月7日発売の「文學界」9月号は、初版で通常号の2倍となる2万部を発行する予定から、異例にも発売前にさらに1万部の増刷が決まるなど、この勢いはまだまだ続きそうだ。