デジタルガーディアンは7月30日、日本法人の社長に本富 顕弘氏が就任し、日本での事業を強化すると発表した。

デジタルガーディアンは、米国ボストンに本社を持つ機密データ保護、情報漏洩対策ソリューションを提供するセキュリティベンダーで、2003年に設立、日本には2006年に進出している。

デジタルガーディアン 日本法人 社長 本富 顕弘氏

本富氏は、「日本での認知度はまだ低いが、グローバルでは次世代エンドポイントセキュリティのリーダー的立場にある。日本市場で、次世代エンドポイントセキュリティ、クラウドサービス、POSや家電、自動車などの制御システム向けにアプリケーションホワイトリスティングという3つのプロダクトに注力し、現行で30数社の日本のユーザー数に、プラス50社増を目標とする」という目標を明らかにしている。

デジタルガーディアンは、データを中心に考えたセキュリティソリューションを提供している。基本となるDigitalGuardianソフトウェア・ソリューションは、エージェント型エンドポイント・ソフトウェア。エンドポイントにおける、データ、ユーザー操作のイベントなどのプロセスと、出口経路を可視化し、単一エージェントで内部、外部の脅威から機密データを守る。

企業内には大量のデータが存在するが、「重要なデータをタグ付けし、全てのデータではなく、ユーザー側が定義したデータを管理し、守ることができる」(デジタルガーディアン セールスマネージャー 坂橋 晃司氏)と適切なデータ管理を行うことができる。

デジタルガーディアン セールスマネージャー 坂橋 晃司氏

現在はマネージドサービス、エージェントレスで利用できるクラウド型ソリューション、パソコンだけでなくPOS、自動車といったエンドポイントまで守ることができるソリューションを持っている。

同社が持つ技術の特徴は、(1)データをタグ付けして分類し、コンテンツのみならず、データがどこから来てどこに送られるのかといったコンテキストの保護にまで着目した、データ・セントリック&コンテキスト・アウェアネス。(2)システム系のプロセス検知、マルウェアの怪しい挙動を制御する、カーネル・レベルのエージェント。(3)単一エージェントで、内部脅威および外部脅威からデータを保護し、データ・プロテクション+システム・セキュリティ、エンドポイントの監視、管理、制御を実現。(4)次世代ファイアーウォール、SIEM、メモリー・フォレンジックと連携し、多層防御により未知の脅威にも対応。(5)1つの管理サーバーで25万エージェントを管理可能。(6)エンドポイントセキュリティの可視化、デバイス制御によってマネージドサービスに適用--という6点になる。

これらのポイントが評価され、世界54か国で事業を行い、300社に導入実績がある。最大規模のユーザーは30万のエンドポイントで、数台のサーバーでこれを管理しているという。

「日本では50社に導入実績があるが、このうちアクティブに利用しているユーザー数は30数社になっている」(本富氏)

米本社はファンドからの投資を受け資金力を強化。5月にベンチャー企業で業務用端末にエージェントをインストールし、キーを発行してキーを持った正規のアプリ以外は起動させないようにするソリューションなどを持つSavantProtectionを買収した。

「これ以外にも、買収によるポートフォリオ強化を積極的に行っている」(本富氏)

また、自社では完結できないセキュリティ対策についてはテクノロジーパートナーと呼ぶ、他社製品との連携を行っている。

次世代ファイアーウォールとしては、FireEye、パロアルトネットワークスと連携し、ネットワーク装置が管理サーバー側へ情報を送信。管理サーバー側でそれをルールとして追加登録し、各エンドポイントにポリシーとして配信する。

SIEMとの連携については、ヒューレット・パッカード、splunk、IBMと連携し、ログを相関分析し、システム全体を可視化するシステムとなっている。

日本市場では、100%チャネルビジネスを行うが、「積極的にマーケット送出するような活動を行い、市場開拓を進めながらビジネスを行う」(本富氏)計画だ。グローバルトップ2000社に入っている製造業、制御機器、IoT機器を開発する企業、金融系、官公庁、サービスプロバイダーなどをターゲットとする。

さらにパートナーの新規獲得、日本法人の人材面の拡充などを行い、日本のユーザー拡大を実現していく計画だ。