日本銀行は29日、2015年1~3月期の資金循環統計(速報)を発表した。それによると、2015年3月末時点の家計が保有する金融資産の残高は前年同月末比5.3%増の1,708兆円となり、過去最高を更新した。1,700兆円を超えるのは比較可能な1997年以降で初めて。
家計の金融資産残高の内訳を見ると、「投資信託」が同21.6%増の95兆円と過去最高を記録し、「株式・出資金」も同21・5%増の184兆円と大幅に増加。このほか、「現金・預金」が同2.2%増の883兆円、「保険・年金準備金」が同2.1%増の444兆円などとなった。
企業の金融資産残高も同13.2%増の1,111兆円と過去最高を更新。内訳は、「現金・預金残高」が同3.6%増の241兆円で過去最高、「株式・出資金」が同27.1%増の336兆円、「企業間・貿易信用」が同5.5%増の224兆円などとなった。
日本国債(「国庫短期証券」と「国債・財融債」の合計)の発行残高は同4.2%増の1,038兆円と過去最大。保有者の内訳は、日本銀行が同36.6%増の275兆円で、全体の26.5%を占めて最大の保有者となった。海外投資家は同20.1%増の98兆円と過去最高を更新し、構成比は9.4%。一方、中小企業金融機関等は同13.1%減の138兆円で、構成比は13.3%、国内銀行は同10.0%減の115兆円で、構成比は11.1%となった。