IDC Japanは6月8日、スマートフォン/タブレット/PCを合算した国内モバイル/クライアントコンピューティング市場の2014年の実績および2015年-2019年の予測を発表した。

2014年の国内モバイル/クライアントコンピューティング市場の出荷台数は、前年比6.4%減の4,997万台だった。同社は、2014年-2019年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は3.1%とみて、2019年の出荷台数を5,835万台と推計している。

国内モバイル/クライアントコンピューティング市場 製品別 稼働台数予測、2013-2019年(IDC Japan)

2014年のスマートフォン出荷台数は、買替えサイクルが長期化したことで、前年比12.5%減の2,654万台だったが、今後スマートフォンの下取りを組み合わせたキャンペーン展開やフィーチャーフォン生産終了に伴いスマートフォンへの移行が進むことで、2014年-2019年のスマートフォン出荷台数のCAGRは5.3%になると、同社は予測している。

また、タブレットは円安の影響による値上げや大画面スマートフォンとの競合などによって2014年の出荷台数は前年比8.0%増にとどまり804万台だった。

家庭市場におけるタブレットは既に買替えを中心とした市場に移行しており今後縮小することが予測されるが、ビジネス市場では教育市場での導入やWindowsタブレットによる企業での導入が今後進むことで出荷の底上げを見込めるため、2014年-2019年のタブレット出荷台数のCAGRは1.1%になる見込み。

2014年のPC出荷台数は、上半期はWindows XPサポート終了に伴う買い替え需要と消費税引き上げによる購入の前倒しによって伸びたものの、同年下半期はその反動で出荷台数は後退し、前年比1.5%減の1,539万台となった。

ビジネス市場においては、スマートフォンは低価格モデルの普及やMVNOによるサービスとの組み合わせ、社内システムとスマートフォンを組み合わせた付加価値サービスの開始による出荷の増加が予測される。

またタブレットは、教育市場に限らず製造業、流通業においても用途の拡大により、タブレット需要が高まることで出荷が増加し、稼働台数も同時に増加するだろうと考えられることから、同社は、ビジネス市場におけるスマートフォンの同CAGRは13.1%、タブレットのCAGRは22.1%と予測している。